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- 3種類のPMOとそれぞれの役割、ユーザーサイドとベンダーサイドの違いを解説
公開日:2023.10.13(金) 更新日:
転職やキャリアアップの参考に!PMOを種類ごとに詳しく紹介
PMOにはいくつか種類があります。
PMOが担当する業務は様々な種類があり、現場に合わせて働く必要があります。
PMOとして成功していく上では、どのような種類があるのか理解することが重要でしょう。
本記事ではPMOを種類ごとに詳しく紹介するので転職やキャリアアップの参考にして下さい。
PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)の役割
PMOの役割は多岐に渡る複雑なものであり、プロジェクトマネジメントは戦略的に行う必要があります。
PMOはプロジェクトの中心となる組織で、全体を俯瞰し数多くのタスクをこなしていくことになります。
PMOの具体的な業務は挙げるとキリがないほど多いです。たとえば、以下の業務を担当しますがこれはほんの一部になります。
- マネジメント手法の標準化
- 計画の策定
- 定期報告の実施とその資料作成
- 進捗、課題、リスクなどの管理
- リソースの調整や確保
PMOとして活躍していくには、求められる役割を正確に把握する必要があります。
プロジェクトによってその役割は異なるため簡単なことではありませんが、プロジェクトの生産性を高め目的を達成する上で非常に重要です。
PMOはいくつかの種類に分かれているため、まずはその確認をすることがポイントとなります。
自身が現在どのような種類のPMOに属しているのかしっかり把握することで、役割を理解しやすくなり仕事で結果も出しやすくなるでしょう。
役割を把握すればそれに合わせてどんなスキルを磨いていく必要があるか判断できます。PMOとして仕事の幅を広げていくことが可能です。
3種類のPMOの役割や業務内容
PMOには主に3つの種類があります。
PMOはプロジェクトによってその役割が異なるものになります。
種類を理解しておくことで闇雲に仕事をこなすことがなくなるため、PMOとして成果を出す上で有効です。
支援型PMO
プロジェクトメンバーが仕事をしやすい環境を作ることが主な役割となります。
意思決定など権限は基本的に持たないことが多いです。たとえば、以下のような業務を担当します。
- 打ち合わせの資料、議事録、文字起こしなどの作成
- プロジェクトの新規メンバーのキャッチアップ支援
- 必要な備品やツールの手配、導入
- リソースの調整
- プロジェクトに必要なツールの導入・運用
プロジェクト内の各組織、各メンバーの仕事をサポートする形で貢献します。
プロジェクトマネージャーへも情報提供のみを行い判断を仰ぐことが多いです。
PMや各メンバーの意思を尊重し、それを後方支援する形で仕事を進めます。高いコミュニケーションスキルが求められます。
管理型PMO
主体的にプロジェクトを管理していく役割が求められます。
前述の支援型PMOと比較すると、プロジェクトの詳細な部分まで関わっていくことが多いです。
サポートではなくより能動的にプロジェクトを推進していきます。主に以下のような仕事を担当します。
- プロジェクトのスケジュール、予算、タスクなどの管理
- プロジェクトで発生した課題やリスクの管理と解決に向けた対応
- 各チームが作成した成果物の品質チェック
プロジェクトに合わせて各種マネジメント手法やテンプレートを導入し、全体の生産性を高めていきます。
コミュニケーションスキルに加え、マネジメントスキルやリーダーシップスキルも求められます。
指揮型PMO
プロジェクトの意思決定を最適化していく役割が求められます。前述の支援型PMOや管理型PMOと比較すると強い権限を持ちます。
プロジェクトマネジメントに関するノウハウを持たない企業は、指揮型PMOを設置することが多いです。
プロジェクトマネジャー(PM)に対して報告だけでなく意見も出しながら、プロジェクトが正しい方向に進んでいけるように努めます。主に以下の業務を担当します。
- プロジェクト内部の情報収集、監視
- 課題やリスクの分析
- PMやステークホルダー向けの報告書作成
高い問題解決能力が求められます。
プロジェクト全体の状況を正確に把握し、問題が発見されれば必要に応じてPMに解決策を提示します。
ユーザーサイドとベンダーサイドの違い
PMOは一つのプロジェクトに複数組織されることもあります。
最もよくある例としては、ユーザーサイドとベンダーサイドでPMOが組まれるパターンです。
役割を明確にできることがPMOを分けるメリットになります。
特にITプロジェクトでは、PMOがユーザーサイドとベンダーサイドに分かれることはよくあります。
ユーザーサイドのPMO
「ユーザーサイドのPMO」とは、ユーザー側のプロジェクトマネジメントを行うPMOを指します。
企業のITプロジェクトで言えば、開発・導入するシステムのユーザーとなる業務担当者のタスクや課題を管理する場合が多いです。主に以下のタスクを担当します。
- 業務担当者が持つ課題の収集・分析
- 開発するシステムの基本構想策定、システム化企画の実施
- ベンダーサイドのPMOやシステム開発担当に向けたシステム要件の説明
主にシステム開発の上流工程におけるマネジメントを担当します。
ユーザーからの要望や課題を調査し、その解決策も検討して提案する形でプロジェクトとしての方針をまとめていきます。
開発するシステムへの具体的な要件を取りまとめ、それをRFPなどの成果物として作成し、システム開発側へ提供します。
ユーザーサイドのPMOには主に業務関連のマネジメントが求められる
たとえば、経理業務を改善のためのプロジェクトが立ち上がったとしましょう。
その場合、ユーザーサイドのPMOはまず目的を具体的にする必要があります。
企業やプロジェクトによって目的は異なりますが、例を挙げると以下ようなものが考えられます。
- 人件費を現状の半分以下に抑えたい
- 決算処理を現在の半分の期間で対応できるようスピードアップしたい
- 精算業務を効率化しリアルタイムでコストを見える化したい
目的をはっきりさせた後はその内容を資料にまとめた上で、改善のための施策をまとめていくこともPMOの仕事です。
現状の業務プロセスを見直す形で改善していく場合もあれば、その解決策としてシステムを導入を進める場合も考えられます。
ITソリューションを利用する場合、基本構想をまとめ、開発チームへ依頼することになります。
ユーザーサイドのPMOを目指すには企業や組織での経験が重要になる
ではユーザーサイドのPMOとして仕事をしていく上ではどのようなスキルや経験が必要になるのでしょうか?
結論から言うと、最も重要視されるのはそのプロジェクトの目的に関連する業務の経験ですが、それに加え高いコミュニケーションスキルも必要になります。
ユーザーサイドのPMOは、その内部の正社員と外部のコンサルタントで構成されることが多いです。
PMOとして対象となる業務知識とプロジェクトマネジメントのノウハウの両方を備える必要があることがその理由になっています。
プロジェクト推進の上で業界特有の業務知識が必要になるため、資格試験などでキャッチアップできる部分は少なく、経験が強く求められます。
それに加え、その企業特有のルールもあるため、ファームのコンサルタントだけでは対応が難しい場合がほとんどです。
このように対象となる業界や業務領域への知識は必要ですが、コミュニケーションスキルも重要です。
実際の業務担当しか把握できていない課題も詳細に調査していく必要があります。
そのため、現場担当者とうまくコミュニケーションを取っていくことが必要です。
また、情報収集後には課題を分析してまとめたソリューションをプロジェクトマネージャーやシステム開発担当社など様々なステークホルダーに提案することも求められます。
ベンダーサイドのPMO
ベンダーサイドのPMOは、主にシステム開発や導入のプロジェクトにおいてベンダの立場でプロジェクトを管理する組織です。
クライアント企業がシステム開発を委託したベンダーを取りまとめることになります。
基本的に企業のシステム開発は複数ベンダーと契約しプロジェクトを進めていくことが多いです。
特に大企業になると開発すべきシステムは大規模かつ種類も豊富になるため、PMO側で全体の進捗管理やシステム間の連携部分の設計、テストなどを調整していく必要があります。
主に以下のタスクを担当します。
- 全体および各システムの設計書取りまとめ
- システム開発工程の進捗管理および定期報告
- 問題が発生した場合のエスカレーションおよび対応案の検討と提案
ベンダーサイドのPMOはITのスペシャリストであることが求められる
たとえば、食料品を販売する企業の売上をアップさせるため、以下のシステムを開発することになったとします。
- 商品を販売するためのECサイト
- ECサイト上のデータを収集・分析し、販売促進に繋げるためのCRMシステム
- ECサイトで販売する商品を適切に管理するSCMシステム
これらのシステムは目的を達成する上で連携させていく必要があり、PMOはその詳細を把握します。
新規開発のものだけでなく、既存システムであっても改修されるものはPMOで管理が必要です。
それぞれのシステムが「スケジュール通り進行できているか?」、「要件通り実装されているか?」といった観点で常に評価しながら全体をコントロールする必要があります。
また、プロジェクト内で発生した問題の解決もPMOの重要な仕事の一つです。
システム開発のプロジェクトでは基本的に様々な種類の問題が発生するため、その都度どのように対応するか検討していく必要があります。
予定されていた要件、スケジュール、予算の範囲内での対応ができない場合、エスカレーションの上プロジェクトオーナーとの交渉が必要になることもあります。
- 機能に優先順位を付け、必須のもののみ実装を進める
- 開発リソースを増やしスケジュールに間に合わせる
- 実装できない機能を業務担当者が手動で対応できるか確認する
などの方法を対応方法を検討します。
ベンダーサイドのPMOは目指しやすい!?資格試験なども活用できる
ユーザーサイドと比較した場合、ベンダーサイドのPMOは一人でもある程度キャッチアップが可能で目指しやすい職種になります。
基本的にはPMOとして必須となるマネジメントやコミュニケーションスキルに加え、IT関連のスキルが必要になります。
一般的に求められる募集要件を求人サイトで確認してみると、システム開発の知識や経験は必須要件となっていることがほとんどですが、業務関連の経験は歓迎要件であることが多いです。
業務関連の知識はどうしても実務を経験しないとキャッチアップできない部分が多くなりますが、IT関連の知識は資格試験を使えばキャッチアップは容易に行えます。
プロジェクトマネジメント関連の資格であれば、米国のプロジェクトマネジメント協会であるPMIが提供するPMPが有名です。
この資格は難易度が非常に高いものになりますが、その分プロジェクトマネジメントの分野において高度な専門性を有していることを証明できます。
資格試験以外でもPMBOKの参考書などを利用して学習を進めることも可能でしょう。
一方IT関連は情報処理推進機構が提供する国家資格が有名ですが、ベンダー資格なども合わせると無数に存在します。全ての分野を学習することは現実的ではありません。
そのため、自分の目標や現在のプロジェクトに合わせて学習を進めていくことが推奨されます。
ITプロジェクトで活躍できるPMOコンサルタントは非常に需要が高く、おすすめの職種です。
記事まとめ
今回はPMOの種類について説明しました。
PMOとして働いていく上で、その種類を理解しておくことは非常に重要です。
なぜ種類が分かれているのか、それぞれどのような役割があるのか、といった点について過去の事例も参考に自分なりの考えをまとめておきましょう。
PMOとしてパフォーマンスを高めていく上で有効になります。