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公開日:2024.05.22(水) 更新日:
PMOアシスタントとは、PMOサービス全体を指す場合が多い
PMOアシスタントとは、PMOサービス全体を指す場合が多いです。主にコンサルティングファームがこの種のサービスを提供しています。
企業のプロジェクトマネジメントを支援するサービスで、PMO経験が豊富なコンサルタントを現場に配置し管理業務をサポートします。
この記事ではPMOアシスタントについて解説します。
PMOアシスタントはプロジェクトマネジメントを横断的に支援する仕事
企業で企画・推進されるプロジェクトは数多くの種類があります。たとえば、
- 経営や事業戦略の立案と実行
- 新規事業の立ち上げ
- IT戦略の立案およびグランドデザインの策定
- システムの開発や導入
- 業務プロセスの改善
など、挙げるとキリがないほどです。必然的にPMOの役割や業務は数多くなります。求められる能力も現場によって異なります。
PMOの主な業務は3種類
PMOという組織では、業務を円滑に進めるため役割を分けることがあります。
もちろんプロジェクトによって適切な役割の分け方は異なるため、それぞれの現場で違いがあるということは認識しておきましょう。
役割の分け方に関しては、一般社団法人の日本PMO協会が公式Webサイトでその一例を示しています。その手法では、PMO業務は以下3つのカテゴリーに分けられます。
- プロジェクトデータの収集や公開、会議体の運営、書類作成サポートなどの事務
- プロジェクトの標準化、進捗状況などの可視化、他チームのメンバーとのタスク対応や問題解決など、PMOの中核となる業務
- PMOの組織戦略やメンバーの教育・管理、重要事項の判断など、PMOという組織のマネジメント業務
参考:日本PMO協会|NPMO
「1」を担当するメンバーは「PMOアドミニストレータ」、「2」は「PMOエキスパート」、「3」は「PMOマネージャー」と呼ばれます。
どのプロジェクトでもPMOの業務は多種多様ですので、どのように役割を分けるべきか計画段階で検討しましょう。
PMOの業務が円滑になれば、それはプロジェクト全体の生産性向上にも繋がるはずです。
プロジェクトマネジメントとの違い
「プロジェクトマネジメント」とは「業務」を指します。「組織」を指すPMOとは異なるものです。
また、プロジェクトマネジメントはただのマネジメントとも違いがあります。マネジメントとは単純に管理業務を指します。
たとえば、システム開発を主軸とするITプロジェクトの場合、ERPやCRMまたはECサイトなどを開発し稼働させることがゴールです。
この目的を達成するため様々なタスクの実施や問題解決が必要になります。
その上で注意したいのが、プロジェクトマネジメントの場合は単純にシステムの稼働まで持っていけば成功となるわけではないということです。
プロジェクトである以上、あらかじめ決められた期間や予算などの範囲内での目的を達成が求められます。
プロジェクトマネジメントでは、最初の計画段階で成功と失敗が明確に定義されます。
このように単純なマネジメントとは異なり、プロジェクトマネジメントでは計画に合わせて手法を適宜変更していく必要があることを知っておきましょう。
求人情報におけるPMOアシスタントの募集内容
PMOアシスタントの仕事は数多くあります。興味があればぜひ一度自分でも調べてみて下さい。どの業界にも求人があり、高単価のものも多いです。
正社員、派遣、リモートワークOKなど働き方の種類も豊富になっています。雇用される側にとっては大きなメリットがあります。
特にIT関連の求人が多い
PMO関連の求人は特にITプロジェクトが多いことが特徴になっています。
企業によって推進する事業はもちろん異なりますが、ITサービスを活用し付加価値の創出や業務改善の動きが特に目立っています。
たとえば、近年社会的に注目されているのがDX推進です。販売部と営業部それぞれのシステムの業務データを連携し、顧客に対して適切なプロモーションを実施するといった仕組みなどが構築できます。
この他にもIT技術の進化は目覚ましくAI、IoT、VR、ブロックチェーン、などの技術を取り込んだシステムが数多く開発されています。
もはや企業が存続していく上でITの活用は必須と言っても過言ではありません。
そのため、ほぼ全ての企業でシステム開発・導入のプロジェクトが企画されています。結果、IT関連のPMO求人は増加の一途を辿っています。
求人情報を確認する際の注意点
求人サイトでは「PMOアシスタント」という言葉がよく使われますが、求人によって定義が異なることがあります。必ず知っておきましょう。
PMOサービス全体を指すことが多いですが、PMOアドミニストレータという職種を指す場合もあります。
PMO関連の求人に限ったことではありませんが、会社や人によって同じ言葉でも違う意味で使われることはよくあります。
PMOアシスタントという言葉は複数の意味で使われているため、特に注意が必要です。
意味を勘違いすると、採用面接や仕事を開始する段階でアサインされる業務が想定と異なることに気づき、最悪の場合思い通りのキャリアプランを歩みにくくなるでしょう。
では求人を確認する際はどうすればよいでしょうか?
その手段としては、募集要項に記載されている具体的な業務内容の確認がおすすめです。
基本的に採用された場合どのような仕事を担当するのか記載されています。曖昧に記載されている場合は採用プロセスの過程で確認しましょう。
必要なスキル・経験は?
優秀なPMOコンサルタントは様々なスキルや経験を持っています。
求められるスキルは挙げるとキリがなく、全てを身に付けることは現実的ではありません。思い描くキャリアプランをもとに、スキルに優先順位を付けてキャッチアップしましょう。
コミュニケーションスキル
PMOにとって最重要のスキルです。PMOとして働く場合、どの役割を割り当てられたとしても必ずコミュニケーションスキルは必要でしょう。
フルリモートワークの案件だったとしても文字でのコミュニケーションが必要になります。
注意したいのは、このスキルは机の上での学習だと実務で使える力が身に付きづらい点です。必ず仕事を通して習得していきましょう。
資料作成スキル
PMOが作成する資料は多種多様です。たとえば、以下のような資料を作成します。
- 経営層向けの報告資料
- 他部署とプロジェクトの推進や課題に関して認識を合わせるためのディスカッションペーパー
- 新規参画者向けのキャッチアップ資料
それぞれの目的に合わせ重点を置くポイントや情報粒度を工夫する必要があります。
普段からそのようなポイントを考え資料を作成する癖をつけておきましょう。また、Word、Excel、Powerpointなどの活用に慣れておくことも重要です。
システム開発業務の経験
前述の通り、IT関連のPMO求人が増加しています。システム開発関連の業務に携わったことがあれば、その経験はPMOでも活かしやすいでしょう。
実際、PMOコンサルタントとして働く人の中には過去にシステムエンジニアやプログラマーを経験している人がたくさんいます。
IT関連の業務経験があれば、さまざまな現場で採用される可能性が高くなります。PMOとしての仕事の幅を広げていく上でも有効です。
PMO関連の資格一覧
PMOとして活躍できる人材になるためには資格も有効活用しましょう。資格取得は必須ではありませんが、スキルアップに有効です。
PMO人材は資格の数ではなく経験面で評価される傾向があります。経験が伴わないと身に付けにくいスキルが多いことがその理由です。
ただし、資格を通してのキャッチアップの方が優れている面もあります。実務経験よりもプロジェクトマネジメント分野の知識を包括的に学習できるという点です。
仕事を通して学習していく場合、どうしても身に付けられる知識に偏りが出てきます。実務と資格の両面から学習を進め、実践的なスキルを習得しましょう。
PMO関連の代表的な資格は以下になります。
資格名 | 主な学習内容 |
---|---|
プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格 | プロジェクトマネジメントの基礎 |
PMOスペシャリスト認定資格 | PMO業務に必要な基礎知識 |
プロジェクトマネージャ試験 | IT関連のプロジェクトマネジメント知識 |
PMP | プロジェクトマネジメントの応用も含めた知識 |
P2M(PMC、PMS、PMR、PMA) | 日本の経営環境に合わせて開発されたプロジェクトマネジメントの知識 |
記事まとめ
今回はPMOアシスタントの仕事内容を中心に解説しました。
この先も企業が新規事業の立ち上げ、システム開発、既存事業の改善、などを推進していく過程で多くのプロジェクトが企画されます。
企業のプロジェクトは基本的に規模が大きいため適切なマネジメントが必要です。PMOはそんな責任ある仕事を担う組織になります。