PMOの単価相場と案件獲得のポイント、収入アップの方法を徹底解説

公開日:2024.10.21(月) 更新日:

PMOの単価相場まとめ!案件獲得ポイントや収入アップへ向けたキャリアパスを解説

PMOの単価相場と案件獲得のポイント、収入アップの方法を徹底解説

PMOは需要が拡大している将来性の高い職業のため、注目を集めています。

転職や就職を検討するにあたり、PMOの単価相場がどのくらいか気になる方もいるでしょう。

PMOの単価相場はスキルやプロジェクトの複雑さなど、案件によって異なりますが、能力次第で高収入が期待できます。

この記事では、PMOの単価相場について解説します。

案件獲得のポイントや収入アップを目指す方法も紹介しますので、PMOとしてのキャリアを検討中の方は参考にしてください。

PMOの単価相場は月80万円〜150万円ほど

PMOの単価相場は月80万円〜150万円ほど

PMOの単価相場について解説します。

個人のスキルや経験、案件によって単価相場は変動するため、目安として参考にしてください。

フリーランスPMOの平均単価

フリーランスPMOの単価相場は、月80万円~150万円ほどになります。

年収で考えると、960万円~1,800万円程度です。

スキルやプロジェクト規模などで単価は異なり、なかには月200万円ほどで契約できる案件もあります。

なお会社員PMOの単価相場は、月40万円~80万円程度で、年収で考えると500万円~1,000万円ほどです。

国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、給与所得者1人当たりの平均年収は458万円といわれています。

引用:国税庁|令和4年分民間給与実態統計調査(14ページ)https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2022/pdf/002.pdf

したがって、フリーランスと会社員、いずれもPMOの年収は高い傾向にあると考えられるでしょう。

経験年数別の単価相場

PMOの単価相場は、経験年数によっても異なります。

未経験と一定の経験数のあるフリーランスPMOの単価相場は、以下の通りです。

未経験 約30万円~60万円/月
実務経験1年以上 約60万円~80万円/月
実務経験一定年数以上 80万円以上/月

実務経験やスキルを重視する企業は多いため、未経験の場合、単価相場は低い傾向といえます。

つまり、フリーランスPMOだからといって、必ずしも給与が高いわけではない点についても理解しておきましょう。

業界別の単価相場

業界別のPMO単価相場は、以下の通りです。

運輸業・不動産業 約80万円~200万円/月
医療 約80万円~150万円/月
公務 約60万円~150万円/月
情報通信業 約60万円~150万円/月
製造業 約60万円~150万円/月
金融業・保険業 約60万円~150万円/月
教育事業 約60万円~120万円/月
建設業 約60万円~120万円/月
生活関連サービス業 約60万円~120万円/月
宿泊業・飲食サービス業 約60万円~120万円/月

業界別に単価を調べたところ、あまり大きな差は見られませんでした。

したがって、PMOは実務経験や専門的なスキル、プロジェクトの規模によって単価が重視される傾向だと判断できます。

PMOの単価に影響を与える要因

PMOの単価に影響を与える要因

PMOの単価に影響を与える主な要因を3つ解説します。

単価を上げられるよう、現状と照らし合わせてみましょう。

スキルと経験

PMOの単価は、スキルと経験によって大きく左右されます。

職種によって必要とするスキルは異なりますが、PMOに求められる主な能力は以下の通りです。

  • ITに関する知識
  • 専門的なパソコン能力
  • コミュニケーション能力
  • 文書作成能力
  • 言語化能力
  • 傾聴力

業界に精通する専門知識も必要で、例えばIT業界の案件を受注する場合はSEやインフラエンジニアなどの経験を必須とするケースもあります。

また、PMO実務経験3年以上や1年以上など、経験年数を設けている求人も少なくありません。

求める役割を担うスキルと経験は、PMO単価に影響を与える要因の1つです。

保有資格

資格を保有していると、単価を上げられるチャンスにつながります。

資格の取得は必須ではありませんが、保有していると知識とスキルの証明になり、案件の獲得率を高められるためです。

保有資格は履歴書や名刺に記載できるため、実践力をアピール可能となり、信頼を得られやすくなります。

フリーランスPMOが保有しているとビジネスチャンスに広がりやすい資格は、以下の通りです。

P2M資格 ・日本プロジェクトマネジメント協会が実施している資格認定制度
・プログラムマネジメントに関する幅広い知識とスキルを習得することが可能
プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格 ・日本PMO協会が実施している資格認定制度
・目標設定力や計画力、実行力の証明が可能
PMOスペシャリスト認定資格 ・日本PMO協会が実施している資格認定制度
・PMOの知識を保有している証明が可能
プロジェクトマネージャー試験 ・IPA(情報処理推進機構)が実施している国家試験
・ITに関する知識やマネジメントスキル保有の証明が可能
PMP ・PMIが認定している国際資格
・世界中に通用するプロジェクトマネジメントに関する知識やスキル保有の証明が可能

権威性を高められる資格の保有は、PMO単価に影響を及ぼします。

プロジェクトの複雑さと規模

プロジェクトの複雑さと規模によって、PMO単価は異なります。

プロジェクトの内容が複雑なほど、プロジェクトマネジメント能力を求められるためです。

PMOの主な役割は、PM(プロジェクトマネジャー)のサポートになります。

業務範囲は多岐にわたるため、プロジェクトが複雑であれば同時進行する必要があり、場合によってはPMに近い動きをしなければなりません。

規模が大きく、かつ複雑な案件は相応のスキルを求められるため、単価が高くなる傾向といえます。

高単価案件を獲得するためのポイント

高単価案件を獲得するためのポイント

高単価案件を獲得するためのポイントを解説します。

ポイントを押さえて、収入アップへ向けて行動しましょう。

プロジェクトを成功させて信頼性を高める

プロジェクトを成功させて信頼性を高めると、高単価案件を獲得しやすくなります。

プロジェクトの成功率は実績につながり、PMOとしての役割を遂行できる人材として信頼されるためです。

例えば、PMOの主な役割の1つに進捗管理が挙げられます。

プロジェクトの進捗が遅れている場合、PMOは巻き返せるよう迅速な対応が求められ、結果として成功率につながります。

高い評価を得られれば同じ企業からの継続受注も可能となり、より複雑なプロジェクトや規模の大きい案件を任される場合があるでしょう。

コンサルティング会社に在籍して実務経験を増やす

高単価案件の獲得には、コンサルティング会社に在籍して実務経験を増やす方法もあります。

前述したように、PMO単価はスキルや経験、実績に応じて異なるためです。

経験や実績がなければ案件獲得につながりにくく、単価アップは見込めません。

大手コンサルティング会社に在籍していれば、複雑なプロジェクトや大規模な案件を経験できる可能性があり、PMOとしての価値を高められるでしょう。

業務経験を重ねると幅広い分野で活躍した証明になるため、高単価案件の獲得が期待できます。

管理型や指揮型のプロジェクトを担当する

高単価案件を獲得したい場合、管理型や指揮型のプロジェクトを担当するのがおすすめです。

PMOの業務内容は多種多様で、なかにはメンバー管理や書類作成といった庶務的な案件もあります。

PMを支援するうえでは欠かせない役割ですが、事務型のプロジェクトに携わっていると評価を得られにくい傾向です。

一方、管理型や指揮型は課題解決やルール策定など、プロジェクトに対するアプローチ方法を考える必要があります。

事務型と比べて高いスキルを要する業務が多いため、複雑なプロジェクトを任されやすく、高単価案件の獲得につながるでしょう。

PMOのキャリアパスと収入アップの方法

PMOのキャリアパスと収入アップの方法

PMOのキャリアパスは幅広く、培ったスキルや経験を活かして収入アップを目指せます。

キャリアパスと収入アップ方法を紹介しますので、高単価案件の獲得に向けてキャリアを検討しましょう。

社内で昇格する

PMOのキャリアパスには、社内で昇格する選択肢があります。

IT業界は急成長しており人材不足が深刻化しているため、高度なスキルを保有するPMOは社内で重宝される傾向にあります。

また、PMOはチームでプロジェクトを遂行する場合があり、リーダーとして全体をまとめる人材が必要なケースも少なくありません。

昇格するとプロジェクトにおける責任も大きくなり、収入アップが期待できるでしょう。

企業に所属して役職を目指すのも、PMOで収入を上げるためのキャリアパスといえます。

ITコンサルタントを目指す

PMOとしての経験を活かしてITコンサルタントを目指すのも、キャリアパスの1つになります。

ITコンサルタントは、ITを活用して企業の課題を解決する専門家です。

プロジェクトの進捗管理や企業経営サポートなど、ITコンサルタントの業務内容は多岐にわたり、いずれもPMO業務で得られるスキルになります。

ITコンサルタントの年収相場は800万円~1,500万円のため、企業に所属するPMOより収入を上げられる場合があるでしょう。

また、IT人材は非常に需要があり、高いスキルを持つ人材に対しては年収1,000万円以上を提示する可能性も期待できます。

そのため、常に最新の技術やビジネスへの追求心がある方は、PMOからITコンサルタントを目指すのも選択肢の1つです。

フリーランスに転身する

フリーランスへ転身するのも、収入アップへ向けたキャリアパスです。

PMOでフリーランスに転身するメリットには、高収入を見込める点が挙げられます。

フリーランスにおける案件の多くは、複雑なプロジェクトや規模が大きいもののため、高単価の傾向です。

社内PMOより中立な立場で業務を遂行できるため、フリーランスを採用する企業も少なくありません。

また、フリーランスは幅広い業界に携われることから、自分に適した案件を見つけやすいメリットがあります。

まずはコンサルティング会社に所属してスキルや経験を積み、実績が増えたタイミングでフリーランスとして活躍するのもおすすめです。

記事のまとめ

記事のまとめ

PMOの単価相場は80万円~150万円といわれており、日本の平均収入より高い傾向です。

プロジェクトの複雑さや規模によって単価は異なりますが、月200万円程度の案件獲得も期待できます。

しかし、高単価案件を受注する場合は実務経験やスキル、実績が必要です。

まずは企業に所属しPMOとしての経験やスキルを培い、その後フリーランスに転身して収入アップを目指すのもキャリアパスの1つになります。

高単価案件の獲得に向けて、PMOとしてのスキルや経験を積みましょう。

活躍の場を広げられるよう、自分に最適なキャリアを検討してください。