PMOコンサルタントやコンサルティング会社の選び方とおすすめ企業を紹介

公開日:2022.03.18(金) 更新日:

PMOコンサルタントや専門会社の選び方について解説

PMOコンサル会社の選び方とおすすめ企業を紹介

IT人材の不足が叫ばれる昨今において、自社人材の不足を補うために、外部のリソースを活用するケースが増えています。

特に、大規模プロジェクトの実施時などにおいては、一時的に大量のPMO人材が必要になります。

このようなケースにおいて有効なのが、PMOコンサルタントの活用ですが、PMOコンサルタントはどのような観点で選定すればよいのでしょうか。

この記事では、PMOコンサルタントおよびPMOコンサル会社の選び方や、主なPMOコンサル会社の類型について紹介します。

PMOコンサルタント・コンサルティング会社の選び方

PMOコンサルタント・会社の選び方

人材の支援を受けることになるPMO支援においては、製品やサービスと異なり単純なスペックなどで比較することが難しいといえます。

よって、PMOコンサルタント・コンサルティング会社を選ぶにあたっては、様々な観点で比較を行うことが必要となります。

ここでは、比較にあたって特に重要と思われる4つの観点を紹介します。

コンサルタントの信頼感

最も重要なのが、コンサルタントの信頼感です。PMO業務を実施する上では、他のプロジェクトメンバーから信頼を得る必要があります。

採用するコンサルタントが信頼できない人間であっては、PMO業務を任せることは難しいです。

コンサルタントの人柄やコミュニケーション能力、または誠実さなど様々な観点から、採用しようとしているコンサルタントが信頼のおける人物なのかを確認する必要があります。

特にPMO業務に重要だと思われるのが、困難な状況にあってもやりきる力です。

プロジェクトの進捗が思わしくないときや、大きな課題に直面した時に、安易な解決策やその場しのぎの代替策などに頼ることなく、誠実に問題に向き合って、プロジェクトが一丸となって解決に向かうためには、コンサルタントの信頼感は重要な要素となるでしょう。

組織力

PMOのリソースとして、フリーのPMOコンサルタントなど、個人で活動している人材を活用する方法もあります。

フリーのPMOコンサルタントは比較的単価が安いなどのメリットがありますが、万が一病気やトラブルなどが発生した場合に、代替人材を得ることが難しいです。

一方で、コンサルファームなどの企業に所属するPMOコンサルタントを活用することで、このようなトラブルが発生した場合でも比較的新たなリソースの補充が容易となります。

大規模プロジェクトにおいては、多くのリソースが必要となるため、人員面でも様々な入れ替えが発生しやすいといえます。

プロジェクトの立ち上げから終了まで同一のメンバーで継続することはあまりなく、何らか出入りが発生するものと考えたほうがよいです。

このような背景から、PMOコンサルタントへ依頼する際には、一定のPMO人材を抱えている会社に依頼することをおすすめします。

スキル・専門性

PMOコンサルタントやコンサルティング会社を選ぶ際、スキルと専門性は重要な判断基準となります。

以下の要素を重点的に確認することをおすすめします。

プロジェクト管理の基礎知識 PMBOKなどの標準的なフレームワークの深い理解・プロジェクトライフサイクル全体の把握
専門的なマネジメントスキル リスク管理・品質管理・スケジュール管理・コスト管理・スコープ管理
コミュニケーション能力 ステークホルダー管理・効果的な情報共有・交渉スキル
問題解決能力と分析的思考力 複雑な状況の整理と構造化・データ分析能力・適切な解決策の提案
業界特有の知識IT、製造、金融など、プロジェクトが属する業界の特性理解 業界特有の規制や標準への精通
最新技術とツールの活用能力 プロジェクト管理ソフトウェアの使用経験・アジャイルなどの新しい開発手法への対応

これらのスキルや専門性は、資格(PMP等)の保有状況で一部確認できますが、実際の業務遂行能力を見極めるためには、具体的な事例や実績を確認することが大切です。

面接や提案プロセスを通じて、これらのスキルがどのように実践されてきたかを詳しく聞くことで、より適切な選定が可能となります。

経験と実績

先述した通り、スキルや専門性は見極めにくいものなので、これまでの経歴や担当業務などの実績に関する情報も参考にすることをおすすめします。

まず、類似規模や複雑さを持つプロジェクトの経験が豊富であることが望ましいです。

これにより、自社のプロジェクトで直面する可能性のある課題を予測し、適切に対処できる可能性が高まります。

成功事例の数と質も重要な指標です。

単にプロジェクトを完了させただけでなく、クライアントの目標達成や期待を超える成果を上げた実績があるかどうかを確認します。

同時に、失敗事例から学んだ教訓も重要で、これらの経験がどのように今後のプロジェクト管理に活かされているかを確認することも大切です。

経験と実績を評価する際は、具体的な数値や事例を求めることが重要です。

プロジェクトの規模、期間、達成した目標、克服した課題などの詳細情報を確認することで、実際の能力をより正確に判断できます。

費用(単価)

当然ながら、優秀なコンサルタントを雇うためには費用がかかります。一般的には、コンサルタントの単価は各社が設定しているランクに応じて決定されます。

上記で挙げたスキル・専門性と、コンサルタントのランクが一致しているかどうかは重要な観点といえます。

例えば、コンサルタント・シニアコンサルタントクラスであれば、一定の知見をもとに、自身に与えられた業務を自身の判断でこなし、付加価値を付けられる力が求められます。

それより上位のマネージャー・ディレクター等のクラスであれば、発注側が想定していないような課題・問題なども含めて、プロジェクトの実施において問題となりえるあらゆる障害を取り除き、プロジェクトを成功に導く力が求められます。

たとえ優秀なコンサルタントであったとしても、その費用が高すぎるのであれば、採用を見送ることも選択肢の一つです。

主なPMO支援会社の類型

主なPMO支援会社の類型

以下では、PMOコンサルタントが所属する主な会社の類型を紹介します。

PMO支援専門企業

PMOコンサルタントが多く所属する企業として、まずPMO支援を専門とする企業が挙げられます。

PMO支援専門企業では、当然ながらすべての在籍コンサルタントがPMOのプロフェッショナルであり、多くのPMO支援を実施していることから、社内にノウハウも蓄積しています。

PMO支援専門企業を活用することで、自社のPMO人材不足を補うことができます。

また、企業によってはユーザー企業向けにプロジェクトマネジメント力を強化するための教育・研修事業も実施しているケースもあります。

長期的に自社のプロジェクト管理力を高めたい場合には、有効なサービスといえるでしょう。

ただし、PMO支援専門企業で受けられるサービスはあくまでPMO支援が主となりますので、例えばプロジェクト実施に関連してDX推進に関する支援を受けたい場合や、基盤・インフラなどの技術的な支援を受けたい場合などは、所属コンサルタントのスキルが不十分となるケースもあります。

ITコンサルティングファーム

もう一つの選択肢は、ITコンサルタントが所属するコンサルファームに依頼する方法です。

ITコンサルファームには、様々な領域を専門とするITコンサルタントが所属しており、その一部としてPMOスキルを保有しているコンサルタントも存在します。

上述したように、PMO支援を専門とする企業においては、その他領域のプロフェッショナルから支援を受けることが難しいといえます。

プロジェクト管理のみを依頼する場合であればそれでも問題ありませんが、プロジェクトの実施においてPMO人材のみが不足するケースばかりではありませんので、他領域の支援も受けたい場合はITコンサルファームに依頼することをおすすめします。

Sier

近年では、Sierも積極的にコンサル事業に参入しています。

Sierは長年システム開発に携わってきた実績から、プロジェクト管理に長けている人材が多く存在します。

よって、PMO支援としてSierが提供するサービスを利用することも検討できます。

ただし、あくまで傾向ですが、やはりSierの本職はシステム開発・導入ですので、コンサルタントの立場として支援できる人材が必ずしも豊富であるとは限りません。

支援を依頼する際には、他の企業よりも慎重に候補人材のスキルを見極める必要があるでしょう。

戦略コンサルティングファーム

近年では、DXなどの潮流の中で戦略コンサルファームもIT分野に参入しています。

そのような中で、戦略コンサルファームにPMO支援を委託するというケースも考えられます。

戦略コンサルファームには優秀な人材がそろっていますが、一般的に戦略コンサルファームの単価は非常に高いため、依頼にあたってはそれ相応の価値を提供できる人材に限るべきでしょう。

プロジェクト支援を依頼することで期待される効果

プロジェクト支援を依頼することで期待される効果

PMO業務をコンサル会社へ委託することで、企業は依頼したプロジェクト支援以外にも様々なメリットを得ることが期待できます。

個々の社員のスキルアップと同時に、組織全体のプロジェクト推進能力を高める総合的な効果をもたらします。

長期的には企業の持続的成長と市場での競争優位性の確立につながる重要な投資となるのです。

たとえば、以下のような効果を得ることができ、その後のビジネス推進にも役立てることができます。

1.社員のトレーニング、マネジメント関連のノウハウの獲得

PMO業務を外部へ委託する際、PMOという組織は外部のコンサルタントだけでなく自社社員も含めて構成することが多いです。

その業界の知識や社内のルールなどに精通している社員も加えPMOを組織することで、プロジェクトをより効率的に推進できるということが主な理由になります。

そのため、社員はプロジェクトマネジメントの知識やスキルを持つコンサルタントと仕事をしながら、経験を積んでいくことができます。

結果、社員のトレーニングになると同時に、会社にマネジメント関連のノウハウを蓄積していくことができます。

2.プロジェクトを推進する環境の構築

PMO会社に支援を依頼することで次回以降もプロジェクトを立ち上げやすくなります。

そして、社内でプロジェクトを実行すればするほど、その環境を整えていくことができます。

例えば、以下のような効果が期待でき、その後のプロジェクトを進めやすくなります。

a.プロジェクトマネジメント関連のツールの導入

現代はプロジェクト推進用に多くのITツールが導入されています。

プロジェクトを推進する過程でコンサルタントに導入を検討すべきツールを提案してもらうこともできます。

導入したツールを必要に応じて他のプロジェクトでも活用し社内のプロジェクト環境を整えることが可能です。

b.ルールの整備・改善

既存のプロジェクトルールで非効率なものを検知・改善していくこともできます。

PMOコンサルはプロジェクトマネジメントのベストプラクティスに精通しているため、既存のルールで不適切なものがあれば、クライアントに改善方法を提案してくれます。

c.外部会社とのコネクションの構築

例えば、システム開発プロジェクトでは、SIerを選別し仕事を依頼することもあります。

その場合、SIer企業と一度仕事の経験を作っておくことで、その後似たようなプロジェクトなどが立ち上がった場合、支援を受けやすくなります。

3.事業の拡大

自社の社員だけプロジェクトを立ち上げた場合、必然的に社内のノウハウだけで行えるビジネスになってしまいます。

しかし、プロジェクトマネジメントのコンサルタントを雇えば、その領域を大きく広げることができます。

マネジメントができれば、自社に無いノウハウを持つ企業や人材と契約し、自社のビジネスとうまく連携しながら新しいものを作り上げていくことが可能です。

つまり、PMOコンサルタントをうまく利用していくことで、事業の拡大が期待できます。

コンサル会社への依頼・相談の流れ

コンサル会社への依頼・相談の流れ

経営やITなど企業は数多くの課題を抱えています。自社のノウハウだけで解決が難しい場合は、コンサル会社へ相談することがオススメです。

相談のみであれば無料となっているコンサルティングファームもあるので、気軽に相談することができます。

コンサル会社へ仕事を依頼するには?

コンサルティングファームに仕事に関する相談や依頼をする場合、その方法や提供できるサービスは企業ごとに異なるのでまずは確認が必要です。

まずは相談方法に関して確認します。例えば、以下が一般的です。

  • 直接対面での相談
  • 相談内容をまとめた資料を送付する形での相談
  • コンサルティングファームが用意する質問に応えていく形での相談

次に、企業のホームページなどで、そのコンサル会社がサポートできる領域の概要を確認します。

PMO関連のサービスを提供しているコンサルティングファームもあれば、ITや経営に関するサービスを展開する企業もあり、企業ごとに強みがあります。

相談をスムーズに進めていくため、コンサルティングを依頼したい内容をできるだけ明確にすることがおすすめです。

また、サポートしてもらえるサービスや領域に関して問い合わせたいことがあれば、それを明確にします。

依頼・相談の進め方

相談の進め方に関しては、その内容などによって多少異なります。一般的な進め方としては、以下のような流れとなります。

1.相談、問い合わせ

まずは相談したい内容を明確にした上で、コンサルティングファームにメールやWebサイトなどで連絡します。

ただし、過去にその企業に類似の仕事を依頼している実績がある場合などは、相談はせずにいきなり依頼を出すこともあります。

初回相談の時点で費用が発生するかは企業によって異なりますので、確認が必要です。

何がしたいのか、どんな課題があるのか、どんな方法で解決したいのか、などを担当者に伝えます。

2.コンサルティングファームによる内容確認・調査

クライアントから相談を受けた後、ファームはその内容に関して詳細な確認や調査を行います。具体的には以下などの確認が行われます。

  • 自社の保有するノウハウでクライアントのニーズ応えられるか
  • 解決可能であればどのようなサポートを提供できるか
  • 課題解決のための自社のリソースは足りているか

確認後、ファームから課題解決に向けたプランに関して説明を受けます。

3.見積もりの依頼

ファームからの提案に納得できた場合は、コンサルティング会社に見積を依頼します。

見積は複数のコンサルティング会社に依頼し、最終判断を行う場合もあります。

各ファームの見積を見比べることが可能となるため、費用面で最適なファームを選択することができるようになります。

見積後、実際に依頼するファームを選定し、契約を締結します。

その後、契約内容に従い、ファームからコンサルティングサービスの提供が開始されます。

クロスオーバーが提供できる支援サービス

クロスオーバーが提供できる支援サービス

クロスオーバーは、日本能率協会コンサルティング(JMAC)の子会社として2003年に設立された、システム開発PMOやシステムグランドデザインなど企業のIT化推進・デジタル化への対応を支援するITコンサルタント企業です。

クロスオーバーに所属するコンサルタントは、JMACグループの改善ノウハウを活用し、業務とシステムが一体となったプロジェクト運営を実現します。

当社の強みは以下の通りです。

  • コミュニケーション力:現場へのインタビューや部門間調整、ファシリテーション等を得意とする
  • マネジメント力:システム開発の基本となる管理技術に加え、JMACグループの改善ノウハウを用いて、プロジェクトマネジメント自体のレベルアップも実現
  • 豊富な経験:製造業、金融業、流通業を中心に、小規模~大規模システムまで多数の実績

当社では、メガバンクの勘定系システム再構築や国際物流業における受発注・物流・通関管理システム再構築といった、大企業における大型プロジェクトのPMO業務の経験もあり、様々な規模のプロジェクト管理業務を実施することができます。

まとめ

まとめ

この記事では、PMOコンサルタント・PMOコンサルティング会社を選ぶ上でのポイントや、主なPMOコンサル会社の類型を紹介しました。

システムの大規模化・複雑化に伴ってPMO人材の需要は高まりつつあります。

一方で、不用意にPMOコンサルタントを採用してしまうと、支払っている費用の対価を得ることは難しいです。

PMOコンサルタントを採用する際には、その価値を十分に見極めることをおすすめします。