PMOの委託にかかる費用は?PMとの違いからメリットまで解説

公開日:2025.03.07(金) 更新日:

プロジェクトの強化にはPMOが有効。PMOの概要から委託費用、メリットまでを解説

PMOの委託にかかる費用は?PMとの違いからメリットまで解説

PMOを業務委託できることをご存じですか?

自社のプロジェクトマネジメントを強化したい場合は、PMOをフリーランスやコンサルティング会社に業務委託する方法が有効です

この記事では、PMOの概要からPMとの違い、費用、メリットを解説します。

PMOとは

PMOとは

PMO(Project Management Office)は、企業内のプロジェクトを横断的に支援し成功に導く組織です。

従来のプロジェクト推進はPM(プロジェクトマネージャ)に負荷が集中し、ボトルネックになりやすいという課題がありました。

管理業務やリソース調整に多くの時間を費やされ、重要な決定やプロジェクト推進に十分な時間を割けないという状況に陥りがちだったのです。

さらに、近年のプロジェクトは生成AIの発展やDXの推進により新技術を利用したり納期が非常に短かったりして、多様なプロジェクトが同時多発的に発生するようになりました。

そのため、PMには新技術への深い知見や変化に対応する能力といった、これまで以上の負荷が求められるようになっています。

その対策としてPMの負担を軽減し、プロジェクトの効率化と成功率を高めるPMOに注目が集まっているのです。

PMOは変化の激しい現代において、企業が競争力を維持し成長を続けるための重要な組織と言えるでしょう。

PMOとPMの違い

PMOとPLの違い

PMOとPMはいずれもプロジェクトマネジメントに携わるという共通点がありますが、役割に大きな違いがあります。

ここでは、PMOとPMの役割を解説します。

PMの役割

PMは特定のプロジェクトの責任者です。

プロジェクトを成功させるために、以下の役割を担います。

  • プロジェクトの目標設定やスケジュールを作成し、プロジェクトを推進する
  • プロジェクトの最終目標である、QCD(Quality:品質・Cost:コスト・Delivery:納期)を管理し達成する
  • 顧客、経営層、各ステークホルダーと良好な関係を構築し、円滑なプロジェクト進行のため交渉・調整する
  • プロジェクトメンバーのスキルアップ、モチベーションの向上、チーム全体のパフォーマンスを向上させるための教育・指導を行う

PMとは特定プロジェクトの責任者であり、高いマネジメント能力が求められる高度な役割と言えるでしょう。

PMOの役割

PMOは企業におけるプロジェクトマネジメントを専門に扱う組織として、多くの役割を持ちます。

主な役割は以下の通りです。

  • リスク管理、品質管理、コミュニケーション管理などを請け負い、PMが重要な決定や調整ができるように支援する
  • プロジェクト標準を制定し、全社のプロジェクト品質を一定以上に保つ
  • マネジメントの教育を実施し、全社のマネジメントスキルを向上させる
  • リソースの配分、スケジュールの調整、リスクの共有など、複数のプロジェクトにまたがる課題を解決する
  • プロジェクト間の優先順位を付け、戦略的に重要なプロジェクトにリソースを集中させることで、企業全体の目標達成に貢献する

PMOはプロジェクトの成功だけでなく、組織全体の成長を支える重要な役割と言えるでしょう。

PMOを委託した場合の費用

PMOを委託した場合の費用

PMOを外部に委託した場合の費用は委託する仕事の範囲、プロジェクトの規模、コンサルティング会社やフリーランスのレベルによって大きく変わります。

委託費用は人の作業時間をもとに計算されることが一般的です。

PMOに関する費用の統計はありませんが、PMOと同じプロジェクトマネジメントを行うPMについては、レベルによって年収600万~1,100万という統計が厚生労働省より発表されています。

職業情報提供サイト(job tag) プロジェクトマネージャ(IT)
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/322

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) レベルの概念
https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/plus-it-ui/itss/itss2.html

以上により、PMと同じくプロジェクトマネジメントの専門家であるPMOは、年収も高いと想定されます。

また、PMOの業務委託先は主にコンサルティング会社とフリーランスの2つがあります。

一般的にコンサルティング会社の業務委託費は、高い年収に合わせた人件費だけではありません。

一般管理費、利益などの直接コストやオフィス賃料などの間接コストを負担するため、フリーランスよりコストが高い点が特徴です。

自社のニーズと予算に合わせて最適な委託先を選定しましょう。

PMOをフリーランスに業務委託した時のメリット・デメリット

PMOをフリーランスに業務委託した時のメリット・デメリット

自社のPMOをフリーランスに業務委託する場合のメリットとデメリットを紹介します。

メリット

フリーランスのPMOに業務委託するメリットは以下の通りです。

メリット 内容
コストを抑えられる 必要なスキルを持ったフリーランスを必要な期間だけ契約することで、余分な経費が抑えられコストを低減できる
小規模案件でも依頼できる コンサルティング会社では規模やコストが合わずに業務委託できない場合でも、フリーランスであれば融通が利く場合が多く小規模案件でも依頼しやすい
柔軟性が高い フリーランスは個人事業であることが多く、細かい指示や対応時間を柔軟に調整してもらいやすい
特定の専門技術を持っている場合がある 新技術を利用したプロジェクトの場合でも、特定の技術を持っているフリーランスに依頼すれば、プロジェクトの成功率を向上できる

フリーランスは、自社に足りないプロジェクトマネジメントをピンポイントで補強できる存在です。

フリーランスに業務委託するメリットを生かし、効率的にプロジェクトを推進しましょう。

デメリット

フリーランスへの業務委託はメリットだけではありません。

ここではデメリットについても解説します。

デメリット 内容
必要な場合に委託できない場合がある 優秀なフリーランスほど予定が埋まるのが早いため、スキル・実績共に申し分なくてもアサインできないケースがある
スキルが足りない場合がある 業務委託してもスキルが足りずにうまくプロジェクトを推進できなかったり、課題を解決できなかったりするおそれがある

スキルが足りない場合の対策としては、ポートフォリオの確認や面談でのスキルチェックといった対策が有効です。

しかし、優秀なフリーランスは少ないため、出会った場合は良好な関係を構築しておくと良いでしょう。

PMOをコンサルティング会社に業務委託した時のメリット・デメリット

PMOをコンサルティング会社に業務委託した時のメリット・デメリット

PMOを支援できるコンサルティング会社はプロジェクトマネジメントの手法を組織として習得しています。

ここでは、自社のPMOをコンサルティング会社に業務委託する場合のメリットとデメリットを解説します。

メリット

コンサルティング会社にPMOを委託する最大のメリットは、組織力と豊富な経験を活用できる点です。

具体的なメリットは以下の通りです。

メリット 概要
リソースが豊富 コンサルティング会社は企業としてリソースを確保するため、プロジェクトの支援に必要なリソースが不足することが少ない
ノウハウが豊富 コンサルティング企業はPMOやプロジェクトで得た知見を蓄積するためノウハウが豊富

コンサルティング企業への業務委託により、確実なプロジェクト推進が期待できるしょう。

デメリット

もちろん、コンサルティング会社への業務委託はメリットだけではありません。

ここではデメリットについても解説します。

デメリット 概要
コストがかかる コンサルティング会社への業務委託は、フリーランスと異なり管理費用が掛かるため、どうしてもコストが高くなる
柔軟な対応がとりづらい フリーランスほど柔軟に対応できないケースが多く、急な要件変更やスケジュール変更に対応できない場合がある

コンサルティング会社は組織力と豊富な経験を活かせる反面、費用が高額になったり調整ができなかったりする傾向があります。 

プロジェクトの要件、規模、必要なスキルに応じて、適切な委託先の選定が必要です。

記事のまとめ

記事のまとめ

PMOの業務委託は自社の弱点を補強する有効な手段です。

フリーランスとコンサルティング会社のメリット、デメリットを正しく把握し、適切な委託先を選定すればプロジェクトの成功に大きく貢献するでしょう。

PMOの重要性と将来性は高まっており、ますます企業戦略の達成に必要不可欠な存在になっています。

PMOを活用して、効率的にプロジェクトを成功に導いていきましょう。