- ホーム>
- ITコンサルティング>
- システム開発 PMO>
- PMOの成果物管理とは?役割やメリット、管理の効果を詳しくを解説
公開日:2025.01.17(金) 更新日:
PMOの成果物管理は有効!ノウハウを蓄積した成果物管理のメリットを解説
成果物管理を適切に実施していますか?成果物管理に不備があると、誤ったプロジェクト推進を行ったり、顧客に誤ったドキュメントが手渡されたりするおそれがあります。
PMOはプロジェクト推進のノウハウを蓄積し、適切な成果物管理を行うことができる組織です。
この記事では、PMOによる成果物管理のメリットを詳しく解説します。
PMOとは
PMO(Project Management Office)とは、全社のプロジェクトを支援し成功に導く組織です。さまざまなプロジェクトに関わり、各プロジェクトのサポートのみならず、マネジメント手法の標準化、マネジメントに必要なツールの選定などを行います。
近年は生成AIによる技術革新、働き方改革による顧客要求の変化が急速に進み、プロジェクトも複雑かつ納期が短くなっています。このようなプロジェクトの変化にPMOは対応可能していきます。
例えば、プロジェクト計画や進捗管理、リスク管理といったマネジメントに必須な項目を支援し、確実にプロジェクトが推進できるようにします。そして、プロジェクトで得たノウハウを蓄積し、他のプロジェクトに共有することで、更なるプロジェクトマネジメント手法の向上を行うのです。
多様化するプロジェクト形態がますます多くなっています。PMOはこれらの変化に対応するために有効な組織です。PMOに関しては、以下のリンクの詳しく解説しています。よろしければご確認ください。
PMOの役割
PMOはプロジェクトマネジメント全般をサポートする重要な役割を持ちます。主な役割は以下の通りです。
役割 | 内容 |
---|---|
プロジェクト支援 | プロジェクトにおけるドキュメント作成や会議体の設定を行い、プロジェクト運営をサポートします |
リソース管理 | 全社のリソースの調整を行います。開発リソースが不足する場合は、他部署とリソース調整を行い、別のプロジェクトから開発者をアサインします |
リスク管理 | プロジェクトに起こりうるリスクを特定し対策を行います。PMOはプロジェクトマネジメントのノウハウを蓄積しているため、今までの実績に基づいたリスク管理が可能です |
コミュニケーション管理 | 社内外のステークホルダーとのコミュニケーションを支援します。適切な定例会や報告会といった会議体を設定し、スケジュールや課題管理の報告を通じて信頼関係構築に努めます |
マネジメント手法の改善 | プロジェクトマネジメントのノウハウをもとに、全社のプロジェクト標準を策定、改善します。また、マネジメントの教育を行いマネジメント人材の育成し、全社のマネジメント能力を向上させます |
PMOの役割は全社のプロジェクト成功率を向上させるだけでなく、プロジェクトの成功を通じて企業戦略の実現に寄与します。
PMOの役割に関しては、以下のリンクで詳しく解説しています。よろしければご確認ください。
成果物管理のメリット
成果物は計画書や議事録などのアウトプットですが、社内で利用するもの、顧客に提出するものがあります。
成果物管理が不適切な場合、古い成果物が顧客に手渡されたり、古い設計書で開発したりして、トラブルの原因になりかねません。
このように成果物管理は、プロジェクト推進において重要な役割を持ちます。
ここでは、PMOによる成果物管理のメリットを解説します。
タスクの管理
プロジェクトの管理項目の1つにタスク管理があります。具体的にはWBSやガントチャートによるタスクの管理です。
PMOはプロジェクトで作成すべき成果物の納期を管理し、作成漏れや遅延をチェックします。
例えば、定例会を開催した後に、議事録を作成し関係者に回付しなければなりません。これは議事録での決定事項を周知するとともに、認識の相違をなくすために必要不可欠なタスクです。
しかし、プロジェクトメンバーが多忙な場合、実務を優先するあまり、議事録の作成が遅れることがあります。これらのタスクを管理し、場合によってはPMOが作成して遅延をなくす役割を持ちます。
このように、PMOによる成果物管理により、タスクを確実に守る点がメリットです。
品質の確保
PMOはプロジェクトの支援が役割です。プロジェクトを支援することで、PMの負担が軽減され、PMが本来の役割に専念できるようになります。
PMがマネジメントに専念できるため、適切にプロジェクトが推進され、結果として品質の向上が期待できます。
例えば、PMOが成果物の進捗をタイムリーに把握し、PMがそれをもとにして遅延しているタスクを発見、早期に対策を施すといった連携です。
このような連携は、確実な品質の向上をもたらします。このため、PMOによる成果物管理は品質向上に有効です。
工数の削減
PMOは今までの成果物管理で得たノウハウをもとに、プロジェクトマネジメントに有効な計画書や進捗管理方法のテンプレートを策定します。
これを全社の標準様式とすることで、各プロジェクトが新たな様式を作成したり、利用方法を模索したりする手間を軽減可能です。
ノウハウにもとづいたテンプレートは、確実な成果物管理をもたらし、工数削減のメリットとなります。
版数管理と共有
成果物は作成して終わりではありません。リスクの発生や、外的要因により成果物を改訂するケースがあります。そこで成果物には版数管理が必要です。
しかし、実務が多忙な場合、どうしても版数管理が後回しになりトラブルになるケースがあります。
例えば、適切な版数管理が行われておらず、古いマニュアルが顧客にわたり、誤った操作によりデータが破壊されるなどのケースです。
PMOは成果物管理により版数管理を支援します。確実に最新の版数に改訂し、関係者全員に周知するのです。これは、プロジェクトの確実な推進と、プロジェクトメンバーの負荷軽減のメリットがあります。
PMOによる成果物管理が有効なドキュメント
プロジェクト内での成果物は数多くあります。その成果物の中でも、PMOの成果物管理が有効なドキュメントを紹介します。
ドキュメント | メリット |
---|---|
プロジェクト開発計画書 | PMOが今までのノウハウをもとに作成したプロジェクト計画書のテンプレートを使用することで、プロジェクト推進に適した計画が策定できる |
リスク管理・課題管理 | PMOにより今までの失敗例を踏まえたリスク管理と課題管理ができる。リスク対応や課題対応の漏れ抜けを防止できる |
コミュニケーション計画 | PMOが議事録や定例会の課題を確実に管理し、共有する。コミュニケーションを確実にとることで、認識の相違をなくす |
要件定義書 | PMOにより漏れ抜けのない要件確認が行えたり、効率的な推進が行えたりする |
各種設計書・マニュアル | PMOにより確実な版数管理と共有により、誤った仕様の成果物作成や誤操作を予防できる。顧客の信頼性向上のメリットもある |
以上のドキュメントは、プロジェクトの推進に欠かせない重要な成果物です。PMOによる成果物管理を行うことで、適切にプロジェクトを推進できるでしょう。
継続的改善によるプロジェクトマネジメントスキルの向上
PMOは全社のプロジェクトに横断的に関わります。そのため、プロジェクトの成功体験も失敗体験も豊富で、ノウハウが蓄積されています。
そのノウハウを全社標準のマネジメント手法として、随時取り入れることで、全社のプロジェクト推進が継続的に改善可能です。
例えば、生成AIを使ったプロジェクトで技術的失敗を経験すれば、社員への生成AI教育を充実させたり、外部の専門家へ委託したりして成功に導くのです。
そして、その改善方法を記録し、共有すれば全社のプロジェクト成功率を向上できるでしょう。
記事のまとめ
プロジェクトは計画書や設計書票を成果物として作成します。この成果物管理が適切に行われていない場合、プロジェクトの失敗につながるおそれがあります。
PMOは蓄積されたノウハウにより、効果的な成果物管理を実践し、プロジェクトを成功に導くのです。
多様化したプロジェクトに対しても、継続的改善を続けるPMOは有効な組織です。蓄積したノウハウが多ければ、より効果的なプロジェクト推進が行えるでしょう。
このように将来性があり、有望な職種である、PMOに携わってみてはいかがでしょうか?