- ホーム>
- ITコンサルティング>
- システム開発 PMO>
- 導入を検討している方・初心者の方必見!PMOの役割・業務内容を一覧で紹介
公開日:2024.10.28(月) 更新日:
PMOがプロジェクトに欠かせない理由や導入のメリット、必要なスキルも解説
プロジェクトの立ち上げにあたって「進行が滞る」「PMの負担が大きい」などの課題を抱える企業は多いでしょう。
プロジェクトの成功には、PMの的確かつ迅速な決断やスムーズな進行が欠かせません。
PMOを導入すればPMの補佐はもちろん、作業の平準化やリスク管理、品質担保などの役割を担い、プロジェクトの成功に寄与します。
この記事ではPMOの役割や業務内容のほか、PMOに必要なスキルや導入するメリットを一覧でまとめました。
「全体像を把握したいから一覧で見たい」方はぜひ参考にしてください。
そもそもPMOとは
PMOとは「Project Management Office」の略語で、ITプロジェクトにおいてPM(プロジェクトマネージャー)を補佐する職種です。
PMは1つのプロジェクトにおける統合責任者であるのに対し、PMOは複数のプロジェクトを横断的にサポートする点が大きな違いです。
ここでは、PMOの職種一覧やプロジェクトにおける必要性を詳しく見ていきましょう。
PMOの職種一覧
PMOの主な職種一覧は以下の3つです。
PMOアドミニストレータ | 資料作成やスケジュール管理などの事務的なサポートを行う |
---|---|
PMOエキスパート | プロジェクトの横断的なルール設定や品質の標準化を行う |
PMOマネージャー | PMをサポートする役割だけでなく、プロジェクトの総合的なマネジメントや経営層との調整を行う |
企業のなかには、ITの高度な知見を持つ外部のPMOコンサルタントを迎え、課題解決やプロジェクトの成功を目指すケースもあります。
どの職種に従事するのか、上記一覧で紹介した内容を事前に把握しておきましょう。
参照:PMOとは? | 日本PMO協会
https://www.npmo.org/pmo%E3%81%A8%E3%81%AF/
PMOの重要性と必要性
PMOはPMが意思決定に集中できるよう、実務面の管理をサポートする重要なポジションです。
プロジェクト型経営への注目度が高まるなか、業務量だけでなく複数のチーム編成や利害関係者の増加など、内情は複雑化しています。
PMの役割も多岐にわたりますが、大規模なプロジェクトではPMが細部までマネジメントするのは困難です。
一方でプロジェクトの管理に不備があれば、進捗遅れや品質低下を招きかねません。
PMOはPMの立場を理解しつつ、PMがフォローしきれない部分のサポートや、ルールを策定し、スムーズな進行や品質向上に寄与します。
PMOはプロジェクトを成功に導くためには必要な職種なのです。
PMOの主な役割一覧
PMOの主な役割一覧は以下の通りです。
- プロジェクト管理の標準化と最適化
- リソース管理とスケジューリング
- リスク管理とイシュー解決
- 品質管理とパフォーマンス測定
- コミュニケーション管理とステークホルダー調整
- ドキュメンテーションと知識管理
- トレーニングとスキル開発支援
上記一覧で紹介した内容をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
プロジェクト管理の標準化と最適化
PMOの役割にはプロジェクト管理の標準化と最適化が含まれます。
PMによってプロジェクトの進行方法や、重視する点が異なる場合があるでしょう。
プロジェクトの管理方法がPMによって異なれば、メンバーが業務を行う際に混乱を招いたり、組織としての再現性が低くなったりしかねません。
PMOはプロジェクト管理のムラをなくし、より最適な管理方法の設定やルール化を行います。
リソース管理とスケジューリング
PMOは人的・物質的リソースを管理しつつ、期限内にプロジェクトが完了するよう、最適なスケジュール設定を行います。
案件のスムーズな進行には、各担当者の状況を把握したうえで、適切なタスクの振り分けが欠かせません。
必要に応じて製品の材料や外部人材を投入する場合もあります。
PMOは進行状況を細やかに把握し、PMと連携してリソースに過不足なくプロジェクトを遂行させる重要な役割を担うのです。
リスク管理とイシュー解決
PMOがプロジェクトのリスク管理と課題の解決を行う場合もあります。
プロジェクト進行上のリスクには、仕様の変更や突発的なリソース不足などが考えられるでしょう。
PMOはプロジェクトにおける内在的なリスクを洗い出し、PMと共有したうえで対策の検討を行います。
プロジェクト進行中にトラブルが発生した場合は、PMと協力し改善に向けた戦略を策定します。
同時に状況を立て直すためのスケジュールや関係者との調整を行うのも、PMOの役割です。
品質管理とパフォーマンス測定
PMOは成果物の品質を保証するほか、プロジェクト進行におけるパフォーマンスの測定も行います。
パフォーマンス測定には、事前に目的や計画の定量・定性的な設定が必要です。
現場の作業効率や発生したコスト、進行上のイレギュラーなどを項目と照合して評価し、次回以降のプロジェクトに役立てます。
なお、パフォーマンス測定を効率的に実施するには、プロジェクト管理システムの活用がおすすめです。
必要なデータを正確に分析し視覚化すれば、プロジェクト進行の改善に役立ちます。
コミュニケーション管理とステークホルダー調整
PMOには、プロジェクトメンバーや上層部、関係部署とのコミュニケーションだけでなくステークホルダーとの関係を構築・調整する役割もあります。
内部のコミュニケーションに行き違いがあれば、スケジュールの遅延やリソース不足などの問題が発生しかねません。
取引先やユーザーのうち、キーマンとなる人物との調整で不備があった場合、プロジェクトが頓挫する恐れもあります。
プロジェクトを成功させるためにも、関係者とのコミュニケーションを円滑に図り、協力が得られる体制を整えましょう。
ドキュメンテーションと知識管理
IT製品やサービスの開発で作成される設計書・計画書などの書類やナレッジの管理も、PMOの役割です。
例えばプロジェクトで作成するドキュメントの体裁を統一させれば、書類が見やすくなるほか、作成時の手順を誤らずに済むので手間も省けます。
プロジェクトの担当者が持つ知識をPMOが一元管理し共有すれば、初めてプロジェクトに参加するメンバーもスムーズに作業できるでしょう。
トレーニングとスキル開発支援
PMOはPMとして活躍できる人材の育成も行います。
PMにはプロジェクトの遂行に必要な業務経験やマネジメント力はもちろん、課題解決力や折衝力などのスキルが必要です。
しかし、十分なスキルを保有していない人がリーダーになれば、期待する成果を得にくいでしょう。
PMOはPMに求められるスキル開発やトレーニングに向けた教育制度を構築し、優れたリーダーシップが発揮できる人材を育成するのです。
PMOに必要なスキルや資格
PMOを目指すにあたって以下一覧のようなスキルが求められます。
- IT関連のスキルや知識
- 論理的に状況を整理するスキル
- 内外部とコミュニケーションをとりつつ的確に業務を遂行するスキル
PMOエキスパートやPMOマネージャーを目指す場合、マネジメントスキルや折衝力なども必要です。
未経験からPMOを目指す際、社内のプロジェクトメンバーとして経験を積むのがおすすめです。
PMやPMOの役割を理解し、プロジェクトを成功させるために必要なサポートや業務改善を積極的に行えば、PMOとしてのスキルが身につきます。
PMOの仕事に特別な資格は不要ですが、PMOに関する資格を取得しておくと、転職においてマネジメントの知識やスキルの保有を証明できるでしょう。
PMO関連の資格には「PMOスペシャリスト(★)™認定資格」「プロジェクトマネージャ試験」などがあるので検討してください。
プロジェクト成功に与える影響とは
PMOを導入すれば、以下の影響やメリットがあります。
- プロジェクトの成功率向上
- 効率性と一貫性の改善
- 組織全体のプロジェクト管理能力の強化
ここでは、PMOがプロジェクト成功に与える影響を解説するので参考にしてください。
プロジェクトの成功率向上
PMOを導入すれば、プロジェクトの成功率を向上させられるメリットがあります。
PMOは煩雑な事務処理はもちろん、PMの役割をサポートし品質向上を目指します。
PMOの支援によりPMが迅速に意思決定できれば、必要なリソースを最適なタイミングで投入したり、進行の遅延を防いだりできるでしょう。
プロジェクトがスムーズに進行すれば目的とする成果物の完成に大きく近づき、プロジェクトの成功率が向上します。
効率性と一貫性の改善
PMOは各プロジェクトの効率性と一貫性を改善するポジティブな影響を与えます。
プロジェクトを成功させるには、作業の合理化や一貫した評価基準の構築などが欠かせません。
PMOは横断的にプロジェクトを支援するため、プロジェクト進行に関するノウハウが集まりやすいポジションです。
PMOを導入すれば、最も効率のよい作業方法の考案や基準の統一が可能となり、プロジェクトの成功に寄与するでしょう。
組織全体のプロジェクト管理能力の強化
PMOは企業のプロジェクトマネジメント力の強化にも影響を与えます。
PMOが収集したプロジェクト管理のノウハウ共有や優秀なPMの育成など、組織におけるプロジェクト管理能力の全体的な向上が可能です。
プロジェクト管理能力を底上げすれば、スケジュール進行やプロジェクト関係者との調整がスムーズに進むなどのメリットがあります。
メンバーのパフォーマンス向上にもつながり、プロジェクトの成功率アップに貢献するでしょう。
まとめ
この記事ではPMOの役割や業務内容などを一覧にまとめて解説しました。
PMOはPMを補佐し事務作業をはじめ、品質管理や基準の策定などを行う役割の職種です。
企業がPMOを導入すれば、作業の効率化やノウハウの共有により、プロジェクト全体の成功率を高められるメリットがあります。
PMOの役割や仕事内容を把握し、プロジェクト成功に向けて効果的に活用しましょう。
PMOを目指すにあたって必要な資格はありませんが、システム開発に関する知識はもちろん、コミュニケーション力や論理的思考力が不可欠です。
今回一覧で紹介したPMOに求められる役割を十分理解したうえで、必要なスキルや知識を習得しましょう。