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公開日:2022.04.25(月) 更新日:
PMOの平均年収など気になる給与事情を解説
DXへの注目やIT技術の活用範囲拡大などを背景として、多くの企業でシステム投資が活発化しています。その流れの中で、PMOが必要な案件も増加傾向にあります。
PMOの需要が高まる中で、PMO人材の価値も高まっています。それでは、PMO人材として活躍することで、どの程度の年収を得ることができるのでしょうか。
この記事では、PMO人材の年収に加え、年収アップを目指すために必要なスキルや資格、経験などについても紹介します。
PMOの概要
まず初めに、PMOの仕事内容やその必要性について解説します。
PMOの仕事内容
PMOとは「Project Management Office」の略称です。その名の通りプロジェクトマネジメントとを実施するための組織のことです。PMOはPMを支援する立場として、プロジェクトの円滑な推進や品質の向上などを担います。
具体的には、プロジェクトマネジメント支援として進捗管理や課題管理などを担当したり、対外的なコミュニケーション役として経営層への進捗報告などを担当します。
その他、プロジェクト標準の作成と維持管理もPMOの重要な仕事内容となります。
PMOの必要性
近年では、PMOの重要性が高まっています。その背景としては、IT導入プロジェクトの大規模化や高難易度化が挙げられます。
IT技術の発達に加え、ビジネスにおけるITのカバー範囲が広がっていることから、システム導入の規模・難易度が向上しているという現状があります。
このような状況下では、プロジェクトを成功させるためにプロジェクトマネジメントを強化していく必要があり、PMOを導入するケースが増えています。
一方で、ユーザー企業など、ITを本業の事業としていない企業においては、IT人材が不足しています。
そのような企業においては、社内リソースではPMO人材を十分に確保できないため、PMO人材を外部委託により確保したいというニーズが存在します。
このようなニーズに対応するため、ITコンサルティングファームをはじめとする各企業は、PMO支援要員として自社に所属するITコンサルタント等のPMO人材を提供しています。
PMOの年収
一般的なPMO人材の年収水準
それでは、一般的にはPMOの年収はどの程度なのでしょうか。
PMOに限定した政府等の調査はなく、PMO求人も非公開となっている例が多いため正確な金額は不明ではありますが、正社員のポジションでPMOの仕事をするケースでは平均で600万円から700万円程度が主な求人相場といえます。
もちろん、自身のランクやこれまでの経験、スキル、勤務する企業によって、待遇は大きく異なることに注意が必要です。
また、ITコンサルタント全体でみると、厚生労働省が実施している「賃金構造基本統計調査※」が参考となります。
令和2年度の調査では、「システムコンサルタント」の平均給与は、約690万となっています。(平均年齢39.4歳、月給約44万、賞与約162万程度)
※令和2年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html
他業種との比較
それでは、他業種と比較した場合にはPMO人材の年収は高いといえるのでしょうか。
まず、上述した「賃金構造基本統計調査」によれば、日本における年収の平均は約487万となっています。PMO人材においては、これらの値を大きく上回っています。PMO人材となることで、年収面では平均を超えることができます。
また、比較的給与水準が高いといえるIT分野に限定した場合でも、賃金構造基本統計調査では年収平均が約620万となっています※。PMO人材はIT人材の中でも平均年収が高い部類といえるでしょう。
※賃金構造基本統計調査における産業大分類「情報通信業」の平均年収より引用
年収向上のために
PMO人材となれば平均的に他業種と比較して高い平均年収を得ることができますが、その中でも専門性の高いPMO人材として活躍することができれば、より年収を向上させることができるでしょう。
年収向上を目指すためには、スキルアップや経験の蓄積、専門分野の確立、資格の取得など様々な取り組みを行う必要があります。以下では、PMO人材として年収アップを目指すための具体的な方法について紹介します。
年収アップを目指すための方法
スキル向上
PMOは専門職ですので、スキルと年収は高い関連性があります。年収を上げるための近道はスキル向上にあります。それでは、PMO人材として年収をアップさせるためにはどのようなスキルを身につければよいのでしょうか。
まずポイントとなるのが、ベースとして必ず身につけておくべきスキルです。PMO人材の場合、プロジェクトマネジメントに関する一般的な知識がそれに該当します。PMBOKをベースとして、一般的に必要とされるプロジェクトマネジメントの手順を身につけましょう。
その上で、付加価値の高い人材となるためにはより高度なスキルを身につけるべきです。その際、「替えの利かない」スキルというのがポイントとなります。
例えば、資料作成能力はその一つです。PMO人材はプロジェクトの状況を経営層や社内の関連部署などに適切に報告する必要がありますが、その際に必ず必要となるのが資料作成能力です。
相手に合わせて現状を適切な言葉で伝える能力を保有している人材は思ったよりも少なく、希少価値が高いといえます。PMO人材において資料作成能力が高いことは自身の価値にストレートに反映されるものです。
また、調整力なども替えの利きにくいスキルの一つといえます。PMOはプロジェクトの調整役として関係者とコミュニケーションをとる必要がありますが、その際に「彼・彼女に任せておけば大丈夫」と思ってもらえるような安定感を持った調整ができると、自身の価値を高められるでしょう。
経験を積む
PMO業務を実施する上では、何より経験が重要です。プロジェクトにおいて発生する課題は非定型のものであり、これまで培ってきた経験をベースに、臨機応変に対応する必要があります。
PMO人材として価値を高めるためには、PMO業務の経験値が重要といえます。PMO人材としてキャリアを高めていきたい場合、積極的にPMO業務の経験を得られるポジションを狙っていくとよいでしょう。
また、PMO業務だけではなく、SE・エンジニアやITコンサルタントとして活躍してきた経験も無駄にはなりません。例えばPMとしてシステム開発に携わった経験はPMO業務において有効活用できます。
一方で、ただ経験を積んだだけでは年収は上がりません。年収を上げていくためには、これまでの経験をPMO業務においてどのように活用していくかを言語化して伝えられる必要があります。
転職における面接や給与交渉の場においては、これまでの経験とPMOの仕事へのつながりを意識して伝えられるようにすることが大切です。
エキスパートを目指す
PMO人材に限った話ではありませんが、エキスパートとして他の人材が保有していない能力を持っていることが、年収を高めることにつながります。PMO人材においても、同様にエキスパートとなることが年収向上の手段となります。
一つには、特定の業界に特化したPMO人材となることが考えられます。
例えば金融業界に精通しており、業界知識や慣習の理解、関連する法令や規制の把握、ビジネスにおけるポイントなどを理解していれば、PMO人材の中でも差別化を図ることができるでしょう。
また、近年ではDX推進も一つのキーワードです。DX推進に必要な能力を備えつつ、プロジェクトマネジメントスキルも保有していれば、DXコンサルタント兼PMO人材として、企画から実行までをこなすことができるでしょう。
資格の取得
PMO人材としての能力を証明するための方法として、資格を取得することも考えられます。資格は自身の能力を客観的に証明する手段です。
PMOに関連する資格としては、米国PMI本部が主催するPMP資格や、日本の情報処理推進機構が主催するプロジェクトマネージャ試験などが挙げられます。これらの資格を取得していれば、プロジェクトマネジメントに関する一定のスキルを習得していることを証明できます。
また、日本プロジェクトマネジメント協会が主催するPMC、PMS、PMRなどのプロジェクトマネジメント・プログラムマネジメント力を認定する資格も、有効な資格の一つといえます。
これらの資格は、今後PMO人材として活躍していくことを目指している方であれば、取得しておいて間違いのないものといえるでしょう。
転職を検討する
いくらスキルの向上や資格取得を行ったとしても、社内にとどまっている限りは社内ルールの範囲内でしか昇給することはできません。
もちろん、会社によっては自身の能力や功績によって大きく年収を上げられるケースもありますが、そのような会社に在籍していない場合は、転職が年収を上げるための直接的な手段となります。
PMOとしての能力はポータビリティ性が高く、転職をしても比較的引き継ぎやすいものといえます。よって、現在の年収に納得がいっていなく、かつ自身の能力を考慮してより高い年収が望めそうな場合には、転職を検討してもよいでしょう。
転職をする際には、これまで整理してきた年収を上げるための各ポイントを中心に、自身が高い年収を払うに相応しい人材であることを説明する必要があります。いかに高いスキルや専門性を保有していたとしても、伝える能力がなければ評価されません。
よって、自身のスキルや経験、専門性などから、どの様なポイントがPMO人材として有効であるのか、また応募している企業においてその能力はどのように活用することができるのかを整理の上、面接に臨むことが大切です。
PMO案件の需要と将来性
最後に、PMO案件の需要状況と将来性について解説します。
結論を言えば、PMOの需要は高まっている状況にあります。
将来もこの傾向は続くといえるでしょう。背景には、上述した通りIT導入プロジェクトの大規模化や高難易度化と、それに対応するためのIT人材不足が挙げられます。
これらの傾向は今後も続くと思われ、特にIT人材不足は長期的に改善する見込みがありません。PMO人材の価値は将来的にも高まるでしょう。
DX推進の流れで高まる需要
特に近年においては、DX推進の文脈の中でITへの投資が活発化しています。
DX推進においては、既存システムのマイグレーション・モダナイゼーションなど、大規模なシステム刷新プロジェクトが発生しやすいです。これらのプロジェクトにおいては、PMO人材が必須といえます。
さらに、DXは「全社的に進める」ことが大切とされています。企業には、様々な案件を並行してマネジメントしていく、いわゆるプログラムマネジメントが求められています。このような役割のPMOも引き続き必要とされていくでしょう。
プロジェクト大規模化の流れ
また、プロジェクトの大規模化の流れも引き続き続いていくと思われます。デジタル化の流れにおいて、企業におけるITの適用範囲は拡大する傾向にあります。
多くのレガシーシステムにおいては、個別最適の流れで小規模システムが乱立するという状況にありましたが、企業はシステムの集約・統合を進めている状況です。
ERPの導入やクラウド基盤への統合など、小さなシステムをまとめ上げて大規模なシステムを導入する傾向は、
今後も続いていくでしょう。このような大規模プロジェクトの実行にあたっては、PMOが必須となりますので、やはりPMOの需要は高まっていくと思われます。
まとめ
この記事では、PMO人材の年収や、年収を上げるために必要なスキル、経験、資格などのポイントを解説しました。
PMO人材は比較的高い水準の年収を得ることができるといえます。さらに、PMO人材の需要状況から、今後もその傾向は続くといえるでしょう。
一方で、PMO人材として年収を向上させるためには、たゆまぬ努力が必要となります。
時流を意識しつつ自身に求められているものを理解し、着実に能力を向上させ続けることで、将来も高い年収を維持することができると思われます。