PMOは「キャリアにならない」は本当?コンサル業界の転職で成功する秘訣

公開日:2024.11.08(金) 更新日:

PMOは「キャリアにならない」と誤解される理由や得られるスキル・能力を解説

「PMOはキャリアにならない」と考え、PMO職に就くのを避けている人もいるのではないでしょうか。

PMOはPMを補佐し、プロジェクトをスムーズに進める重要な役割を担います。

プロジェクト成功に向けて主体的に行動すれば、キャリアアップや転職に役立つスキル・能力を得られるでしょう。

この記事ではPMOの可能性やPMOが「キャリアにならない」と誤解される理由を解説します。

コンサルタント業界への転職成功に向けた秘訣も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

PMOで培ったスキルは様々な分野や業界で活かせます!

PMOで培ったスキルは様々な分野や業界で活かせます!

プロジェクトでPMOを担った経験は、1つの分野や業界だけでなくほかの領域でも活躍可能です。

PMOは汎用性の高い職種です。

PMOの役割を通じて得た経験や知識は、クリエイティブ職や製造業などさまざまな職種・業種で役立てられます。

「PMOコンサルタントになりクライアントを成功に導く」「PMOを内製化している企業で職種を極める」など、PMOとしての将来のキャリアも複数存在します。

ここでは、PMOの役割が企業から重視される理由や、PMOが担う仕事で得られる経験を解説します。

PMOが重視される背景

PMOは分野・業界を問わず必要な役割です。

DXの推進に伴い、ITプロジェクトに参加する案件も増加しています。

プロジェクトは設定した納期や予算、リソースなどの中で一定の成果を出す必要があります。

しかし、ITプロジェクトの工期や品質が予定通りにならず失敗する事例も少なくありません。

以下で、IT業界にスポットを当ててPMOが重視されている背景を説明します。

プロジェクトの成功率を上げる

PMOはプロジェクトを成功に導くためのポジションとして重視されています。

それは、ITプロジェクトにおいて「計画時の考慮不足」「現行業務・システムの調査不足」などさまざまな理由により失敗するケースが多いことに起因します。

PMOはプロジェクトの策定支援や進行管理、リスク対処など、PMを補佐し、必要に応じて業務効率化に向けてシステム導入やガイドライン策定など、プロジェクトの平準化に取り組みます。

PMOのサポートによりプロジェクトがスムーズに進行し、成功につながるのです。

参考:一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)PDF「企業IT動向調査報告書 2023」
https://juas.or.jp/cms/media/2023/04/JUAS_IT2023.pdf

PMのリソースを確保する

複数の大規模なITプロジェクトを進行するにあたって、PMのリソースが足りず失敗するケースがあります。

複数の項目を管理しつつスムーズな進行が求められる一方で、PMが把握できる範囲は限られるでしょう。

PMOは関係者との調整やスケジュール管理などを通じてPMを補佐します。

PMがより重要な項目に集中できればプロジェクト成功率も高まるため、PMOに対するニーズが高まっているのです。

PMOで習得できる知識や経験

PMOは「キャリアにならない」と考えられる一方で、年齢を問わずマネジメントの経験を積める貴重な職種です。

「新規商品発売」を例に、具体的なタスクについて見ていきます。

具体的なタスク例 業務内容
試作品の作成 商品企画のもと試作品作りに参加し、意見を交換する
発売までのスケジュール調整 発売日にあわせて商品・パッケージ完成予定や外部への公開日などを設定する
他部署とのスケジュール共有 プロジェクト関係者に提供する情報が揃っているかチェックしたうえで、営業やパッケージ制作、広報担当などとスケジュールを共有し、予定通り進行するよう調整する
進捗管理および情報共有 ・各部署の進行状況を把握し進捗を管理する
・予定変更やイレギュラー発生など随時情報を共有する
リスク管理 ・外部の人材や製品を活用する場合は、仕入れ先とスケジュールを綿密に共有する
・イレギュラーの起こりやすい箇所や、リスク発生の前例などをもとに注意点をピックアップし関係者に共有する

PMOは上記のようなタスクをこなし、プロジェクト全体を包括的に管理します。

他部署や役員など、様々なステークホルダーとの調整も行うため、相手に合わせた提案力や、円滑なコミュニケーション能力調整力が身につきます。

経験を通じて得られたスキルは、マネジメント職へのキャリアアップや、コンサルタントへの転職など、幅広いキャリアパスにつながるのが魅力です。

PMの考え方やプロジェクトマネジメントの知識を習得し、一般職や専門職を問わず、あらゆる業務を円滑に進められる人材へと成長できるでしょう。

PMOは「キャリアにならない」と誤解される理由

PMOは「キャリアにならない」と誤解される理由

PMOは分野・業界を問わず活躍の可能性がある一方で「キャリアにならない」と誤解されるケースがあります。

ここでは、PMOが「キャリアにならない」と言われる理由を詳しく解説します。

専門性の低さへの誤解

PMOは「キャリアにならない」と言われる理由の1つに「専門性が低い」と誤解されているケースがあります。

PMOはプロジェクトに関する専門的な知識がなくても支援できる仕事です。

特化した分野を極める技術者とは異なるため、特定の知識やスキルが積み上がりにくい職種と言えます。

関係者の調整やプロセス管理などマルチに活躍する一方で、なかなか成長を感じられず「キャリアにならない」と思われるかもしれません。

しかし、長期的な目線で見るとマネジメントの考え方や調整力などが身につきます。

PMOとしての経験を積むことで、キャリアにならないどころか、どのような職場でも活躍できるスキルとして重宝されるでしょう。

キャリアパスが見えにくい

将来のキャリアパスが見えにくい点も「PMOはキャリアにならない」と言われる理由です。

PMOによっては、スケジュール管理や会議の議事録作成がメインなど、役割が限られているケースがあります。

現場で細やかな対応を行う一方で「自分は重要な業務をしていない」「つまらない仕事」と感じ、将来に不安感を抱く場合もあるでしょう。

しかし、プロジェクト成功率を高める高度な知識を備えると、PMの役割や人材育成ができるレベルを目指せます。

事務作業に追われがち

PMOが「キャリアにならない」と誤解される理由として、事務作業が煩雑化し業務に追われやすい点も挙げられます。

PMOの業務は、支援内容によってリスク対策や予算管理など幅広く、関わるプロジェクトが多ければ必然的に事務作業も増えます。

スケジュール管理や関係者の調整などに追われて、自分のタスクを完了できないケースも少なくありません。

事務作業に追われると、ステップアップを目指した勉強やプロジェクトの重要事項に関わる機会も減るでしょう。

事務作業に追われて「キャリアにならない」と諦めず、上司へキャリア相談や転職を検討するのがおすすめです。

コンサル業界での転職を成功させる秘訣

コンサル業界での転職を成功させる秘訣

前章では、「PMOはキャリアにならない」と言われる理由を紹介しました。

しかし、前述のようにPMOの仕事で得られる能力や経験は多く、経験をもとにキャリアアップも目指せます。

実際にPMOが転職でキャリアアップを目指すにあたって、どのようなアクションが必要なのでしょうか。

ここでは、PMOがコンサルタントへの転職を成功させる具体的なアクションを詳しく解説します。

将来のキャリアビジョンを明確にする

コンサルタント業界への転職活動を行う前に、将来のキャリアビジョンを明確に描きましょう。

キャリアビジョンは5年・10年など、長期的な目線で自分の仕事や生き方における将来の理想・目標を設定します。

「ITに限らずさまざまな業界を支援したい」「PM直下のサポート役として活躍したい」など、最初は大まかな目標を立てるのがおすすめです。

「PMOはキャリアにならない」と思い込むと、ビジョンを描きにくいため注意してください。

すでにPMOコンサルタントとして活躍している人や、コンサル業界の市場について情報を収集すると将来を見通しやすいでしょう。

これまでの仕事内容をまとめたポートフォリオを作成する

PMOがコンサル業界で転職を成功させるには、ポートフォリオを作成し自分のスキルや経験を可視化するのが効果的です。

PMOコンサルタントは与えられた役割をこなすだけでなく、主体的に最適な方向性の模索や、必要に応じたPMへの助言が欠かせません。

ポートフォリオに自分の役割や自主的に考え行動した点を記載すると、主体性を持って仕事ができると評価されやすいでしょう。

成功プロジェクトに関わった経験があれば、自分の仕事がどのように役立ったかを記載するのもおすすめです。

自分の仕事を改めて洗い出せば「キャリアにならない」との誤解も解ける可能性があります。

関連する資格を取得しスキルアップを図る

PMOコンサルタント業界への転職を成功させるために、関連する資格を取得するのもおすすめです。

資格を取得すれば、転職活動で一定のスキルや知識の保有を視覚的にアピールできます。

PMOに関する主な資格は以下のとおりです。

PMOスペシャリスト™認定資格 ・一般社団法人日本PMO協会が主催する資格
・PMOの業務で習得すべき知識や技術を認定し証明する
プロジェクトマネージャ試験 ・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が認定する試験
・プロジェクトに関わる利害関係者との調整や戦略実現に寄与できるレベルの知識を問われる
PMP®資格 ・一般社団法人プロジェクトマネジメント協会(PMI)が認定する国際資格
・プロジェクトマネジメントに関する高度な知識や経験を測る

資格勉強からも知識を得られるため、コンサルタント業界に転職しキャリアアップしたい方は、ぜひ取得を目指してみてください。

記事のまとめ

記事のまとめ

この記事では、PMOの活躍フィールドや得られるスキルや「キャリアにならない」と誤解される理由、転職に対するアドバイスを解説しました。

PMOは特定分野を専門的に追究する仕事ではないため、目立ったスキルが身につかず「キャリアにならない」と悩む人も少なくありません。

しかし、主体性を持って考え行動すればマネジメントの考え方や調整能力などが身につき「PMOはキャリアにならない」との誤解を払拭できます。

コンサルタント業界への転職を考える場合は、キャリアパスを明確にしつつ、ポートフォリオ作成や資格取得を目指すのがおすすめです。