- ホーム>
- ITコンサルティング>
- システム開発 PMO>
- PMOとPMの違いとは?プロジェクトにおけるそれぞれの役割を知ろう
公開日:2024.02.07(水) 更新日:
混同されることが多いPMOとPMの違いについて解説
企業ではプロジェクトが立ち上げられると、必要なポジションが作られメンバーがアサインされます。
体制はもちろん現場によって異なるものになりますが、PMOとPMはどのプロジェクトでも必ずと言っていいほど配置されます。
この二つのポジションは混同されることが多いため、ここではその違いについて解説します。
両者の立ち位置の違い
一般的に、PMはプロジェクトの意思決定が責務となる役職になります。それに対し、PMOはプロジェクトの推進が責務となる組織です。
また、PMOはPM業務を支援する役割もあります。
両者は普段から一緒に仕事をしておりかつ類似する業務も多々ありますが、役割から考えると少し違いがあります。
ただし、PMとPMOの具体的な役割はプロジェクトごとに定義されるということも知っておきましょう。
つまり、一般的なものとは違いがある場合もあります。両者の役割は絶対的な決まりがあるわけではないため、その点は注意が必要です。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の業務内容と役割
PMOはその名前の通りプロジェクトのマネジメントを実施するチームです。
業務内容は多種多様で、必要となるタスクやその進め方はプロジェクトによって異なります。
自らプロジェクトを成功させるために何をすべきか考え、積極的に動ける力が求められます。
主な役割はプロジェクトの推進
PMOは主にプロジェクト推進に関連するタスクを対応します。PMを支援する立場で、プロジェクト全体を監視・管理します。
たとえば、以下の業務を担当します。
- プロジェクト計画書の作成
- スケジュール、タスク、リソースなどの管理
- 業務や管理効率化のためのITツール導入
- プロジェクトメンバーへの報告資料の作成
- 新規参画者のキャッチアップ支援
PMOの業務は多種多様、メンバーを職種で分け業務を担当することもある
PMOメンバーは全員が同じ仕事を担当するわけではありません。
業務はさまざまなものがあるため、役割を分けることがほとんどです。
役割分担は企業やプロジェクトの方針によって違いがあります。一例としては、職種ごとにアサインする方法があります。
出典:日本PMO協会|NPMO
アドミニストレーター
主に経験が浅いPMOコンサルタントがアサインされる職種です。
PMOは需要に対して人材の数が足りていないため、未経験のコンサルタントでも採用されます。
未経験の人材はまずアドミニストレーターの職種でプロジェクト管理の経験を積んでいくことになります。
業務としては、会議のスケジュールの調整、議事録作成、新規メンバーのアカウント作成、情報収集と報告資料の更新、などです。他のメンバーの業務を支援する形でプロジェクトに貢献していきます。
エキスパート
PMOの中核を担う職種です。
PMOはエキスパートが中心となって日々のプロジェクト管理業務を実施していきます。基本的にはPMOの経験者がアサインされます。
プロジェクト全体の状況を監視、発生した問題への対応、リスクの顕在化防止のための施策実施、などを行い、プロジェクトが予定通り進んでいくよう努めるポジションです。
具体的な業務としては、各部署への進捗や課題状況の確認、定例でのプロジェクト進捗報告、組織間で発生している課題への対応などが挙げられます。
マネージャー
PMOの管理職になります。エキスパートやアドミニストレーターの業務を管理します。
マネージャーは一つのプロジェクトに100%アサインされるのではなく、複数のプロジェクトを掛け持ちすることも珍しくありません。
実作業は少なく、方針の決定が主な仕事になります。PMOの成果に責任を持つ立場です。
上位層への状況報告、PMOメンバーへのタスクのアサイン、プロジェクトの失敗に繋がるような重大な問題への対応、などが主なタスクです。
PO(プロジェクト・オーナー)、PL(プロジェクト・リーダー)、PMと定期的にコミュニケーションを取り、必要に応じて大きな方針転換やスコープ調整を行います。
PM(プロジェクトマネージャー)の業務内容と役割
PMはプロジェクトをマネジメントする役職です。基本的には一人だけアサインされるポジションになります。
PMOとは違い、自ら手を動かして仕事をすることは少ないです。
プロジェクトの重要事項に対して決定を下し、プロジェクトメンバーにタスクを渡す形で仕事を進めます。
主な役割は重要事項の判断や決定
PMOの業務と比較すると、「決定」や「判断」の役割が多くなります。
プロジェクトを成功させるために必要な重要事項を決定し、適切な方向で進んでいけるよう努めることになります。
重要事項とは、「スケジュール変更」や「スコープ調整」などさまざまです。
想定外の問題が発生し大きな方針変更が必要な場合は、PMがその調整を行うことがあります。
たとえば以下のような業務を担当します。
- PMOの定期報告の確認とその結果に伴う指示
- プロジェクト内でエスカレーションされた問題への対応方針の判断
- 各ステークホルダーへの状況報告
- POやPLへの重要事項の相談および対応方針の承認の取得
- 承認された決定事項の周知
それぞれのキャリアパスや将来性の違いを解説
PMもPMOも役割には少し差がありますがどちらもプロジェクトをマネジメントする立場であるため、業務内容は似ている部分が多いです。
そのため、キャリアの中でその両方を経験した人材はたくさんいます。
ただし、そのポジションに就くまでの道のりには少し違いがあるので、そこは把握しておきましょう。
意識して普段から実務経験を積んでいくことで理想のキャリアに近づきやすくなります。
PMの場合
まずPMはどんな業界であってもこの職種に就くチャンスがあります。
仕事を続け会社から信頼されれば、部下を持ち何かの目的・目標を達成するために仕事をすることになります。
管理職であれば基本的には何かのプロジェクトをマネジメントすることになり、大きなプロジェクトのPMに抜擢されることもあるでしょう。
PMOの場合
一方、PMOコンサルタントの場合はコンサルティングファームに在籍しておいた方がチャンスを広げられます。
コンサル会社は他社から様々なプロジェクト案件を受注するため、多種多様なプロジェクトを経験できるメリットがあります。
PMもPMOもプロジェクトに欠かせないポジションです。
世の中から仕事が無くならない限り、プロジェクトも無くなりません。
PMでもPMOでもプロジェクトマネジメントの経験があれば、将来的にどんな業界でも活躍できるニーズの高い人材になれます。
必要とされるスキルやおすすめの資格
PM、PMOはどちらもプロジェクトマネジメントのスペシャリストです。役割には少し違いがありますが、必要となる基本スキルはほとんど同じになります。
ただし、プロジェクトの種類は多岐にわたるため、キャッチアップすべきスキルを挙げるとキリがありません。
まずはどんなプロジェクトでも必要になる基本的なスキルの習得を目指しましょう。
その後は経営、IT、業務改善など、どんなプロジェクトで活躍していきたいか考え、範囲を絞った上で専門的なスキルも磨いていくことがおすすめです。
特に重要なスキルは?
ほとんどのプロジェクトでPMOに求められる基本スキルを以下で説明します。
どんな業界、職種で働いていても意識次第で身に付けられるスキルが多いです。
マネジメントスキル
PM、PMOともに必要不可欠なスキルと言えるでしょう。
経験が伴わないとなかなか実践的な力が身につかないスキルです。
また、プロジェクトによってはかなりの知識も必要です。
たとえばシステム導入などのプロジェクトではITの専門用語がわからないとタスクや課題管理は難しくなります。
コミュニケーションスキル
PMもPMOもそれぞれ人と接しながら仕事を進めます。
PMの場合、PL、PO、投資家などさまざまなステークホルダーと連携しながらプロジェクトの方向性を調整します。
PMOの場合、プロジェクトを推進するために営業担当者、社内IT運用者、バックオフィス社員、システム開発ベンダのシステムエンジニアなど様々なプロジェクトメンバーと日々連携することになります。
対面でのコミュニケーション能力はもちろん、メールやテレビ会議などツールを利用しての連携や、英語などでの意思疎通も求められます。
リーダーシップ
マネジメント側はそのプロジェクトを成功させることが責務になります。
まずはプロジェクトの目的を正確に理解し、メンバーに適切な方向性を示しましょう。
その上でプロジェクト全体の生産性を高めるため、ベストプラクティスやITツールを導入します。
さらには、メンバーを活気づけ、最大限に力を引き出せるようタスクのアサイン方法も工夫が求められます。
このように、強いリーダーシップを発揮し、プロジェクト全体を引っ張っていく力が必要です。
活用すべきおすすめの資格は?
PMOとして働いているコンサルタントは資格試験も活用し日々スキルアップに励んでいます。
もちろん、資格試験は机の上での勉強になるため、仕事を通してしか身に付けられないスキルは習得できません。
しかし、採用の際に自分のことを知らない面接官にスキルをある程度証明できるというメリットがあります。
また、身に付けたい能力を選択できることもメリットの一つです。
仕事を通してのスキルアップは実践的な能力が身に付きますが、学習する対象を選ぶことは難しくなります。
PMOコンサルタントとしてキャリアアップを目指す場合は資格も積極的に活用しましょう。
日本PMO協会認定資格
日本PMO協会が運営する認定資格です。
プロジェクトマネジメントの経験がないまたは少ない場合はこの資格を活用しましょう。
プロジェクトマネジメントをゼロから包括的に学習可能です。
また学習しやすい点もメリットになります。学習だけでなく受験もオンライン上で可能です。
動画で授業を受ける形になっており、仕事や家事の合間などちょっとした隙間時間で学習できます。
PMP🄬
米国のプロジェクトマネジメント協会(PMI)が提供する資格です。
プロジェクトマネジメントの学習というよりは能力を示すための資格として活用しましょう。
世界的に知名度がある資格であるため海外企業への転職活動でも有効なのは大きなメリットと言えます。
ただし、資格取得の難易度が非常に高いことは知っておきましょう。特にハードルが高い点としては実務経験が求められることが挙げられます。
4年制の大学卒業であれば36カ月以上および4500時間の実務が必要です。
それに加え、所定の研修を35時間受講し、試験にも合格しなければなりません。
プロジェクトマネージャ試験
IPA(情報処理推進機構)が提供する資格です。
ITに軸を置いたプロジェクトマネジメントを学習できるため、今後PMやPMOを目指す人に特にメリットがあります。
システム開発や導入のプロジェクトは全ての業界で増えており、今後もその傾向は続くことが予想されます。
IT関連のプロジェクトマネジメントができる人材であれば、仕事に困ることはまずありません。
今後PMOコンサルタントとして多くの企業のITプロジェクトで活躍していきたい人に特におすすめです。
また、IPAはその他にもITストラテジスト、システムアーキテクト、情報セキュリティマネジメントなど、数多くのIT資格を運営しています。
いずれもIT系のプロジェクトで仕事の幅を広げていく上で有効です。他の資格も確認してみましょう。
P2M資格制度
日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が実施しているP2M資格制度は、プログラムマネージャーやプロジェクトマネージャーに求められる知識とスキルを体系的に認定することで、産業界共通の人材育成を目指しています。
資格には概念的知識を示すPMC、PMSと、実践力を証明するPMRがあり、レベルに応じたキャリア形成が可能です。
標準ガイドブックに基づく試験に合格し、5年ごとの更新が義務付けられています。
対象者は、学生から社会人まで幅広く、成長段階や業種に応じてステップアップしていける仕組みになっています。
記事まとめ:クロスオーバー株式会社はPMOコンサルタントを募集しております
今回はPMOとPMの違いを中心に、それぞれの役割や業務内容、必要となるスキルなどについて解説しました。
プロジェクトマネジメント業務に興味を持って頂けたでしょうか?
今後も多くの企業でPMやPMOとして働ける人材が求められることは間違いありません。
PMOコンサルタントを目指したい方、キャリアアップしていきたい方、はぜひ一度クロスオーバー株式会社の採用ページをご確認ください。
PMOコンサルタントが数多く在籍し、様々な業界のプロジェクトで活躍しています。
プロジェクトマネジメントの分野で成長していくための最適な環境が整っています。