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公開日:2025.03.28(金) 更新日:
プロジェクト遂行に欠かせないPMO・PM・PLの違いとは?

プロジェクトの成功は、適切な役割分担とスキルの活用にかかっています。
この記事では、プロジェクトマネジメントの成功に大きく関係するPMO・PM・PLそれぞれの違いと役割について解説します。
また、各ポジションで必要なスキルや資質も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
PMOはプロジェクトマネジメントを支援する組織
PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)は、「Project Management Office」の略であり、企業や組織のプロジェクトマネジメントを一貫してサポートする役割を担います。
PMOはプロジェクト管理の標準化や手法の導入、効率的な進行を促進し、品質の向上を図ります。
また、プロジェクトの全体像を把握し、必要に応じてスケジュールやリソースの調整を行うことで、プロジェクトが円滑に進行するよう指導します。
PMOの重要性は、組織の成長戦略とプロジェクトの成功を支える基盤になる点にあります。
PMは個々のプロジェクトを推進する責任者
PM(プロジェクト・マネージャー)は、「Project Manager」の略であり、特定のプロジェクトを成功裏に進行させる責任者です。
プロジェクトの計画、実行、監視、完了までの全体を管理し、予算やスケジュールの遵守を確保します。
また、プロジェクトに関連するすべてのチームメンバーと連携し、目的を達成するための最適な環境を整えます。
PLはプロジェクトの実行を担うリーダー
PL(プロジェクト・リーダー)は「Project Leader」の略で、具体的なプロジェクトの運営を直接指揮するリーダー的なポジションです。
PLはプロジェクトの目的達成に向けて、メンバーの管理やタスクの割り振り、進捗の確認などを行います。
また、プロジェクトに関わるステークホルダーとの連携も重要な役割です。
PLは、自身が担当するプロジェクトが成功するよう、問題解決やリスクマネジメントに取り組むことも求められます。
プロジェクトマネジメントにおけるPLの役割は、チームを勝利に導くリーダーシップにあります。
PMO・PM・PLそれぞれの役割とは?
PMO・PM・PLは、どれか一つでも機能しなくなると、プロジェクトの成功に大きな影響を与えてしまいます。
ここでは各ポジションの役割の違いを「映画製作」になぞらえて解説します。
PMO:建設業界で例えるとコンストラクション・マネジャー
PMOは、組織全体のプロジェクトマネジメントを支援する役割を担っています。
建設業界に例えると、コンストラクション・マネジャーのような存在だと言えるでしょう。
PMOの役割を建設に当てはめると、以下のようになります。
PMOの役割 | 説明 |
---|---|
各プロジェクトのサポート | ・各プロジェクトの制作ルールや予算管理の仕組みを決める・PM(施工会社)へアドバイスや改善策の提案 |
ノウハウの共有 | ・成功事例や失敗事例などのノウハウを蓄積し、各プロジェクトへ共有することで、全体の効率化やレベルアップを図る |
メンバーの育成支援 | ・各プロジェクトメンバーの育成プログラムを開発し、研修を実施することで、全体のスキルアップを図る |
リスク管理 | ・マニュアル(ノウハウ)などを作成し、各プロジェクトに提供することで、品質の均一化を図る |
また、PMOの役割については以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
PM:建設業界で例えると施工会社
PMは、個々のプロジェクトを成功に導く責任者です。
建設業界に例えると、プロジェクトの責任や指揮を執るポジションとなるでしょう。
PMの役割を建設業界に当てはめると、以下のようになります。
PMの役割 | 説明 |
---|---|
コンセプト・ビジョンの策定 | ・建物のテーマや方向性を決め、関係者と共有する。 |
スケジュール管理 | ・工事や竣工までのスケジュールを作成し、進捗を管理する。 |
品質管理 | ・建築基準法や、依頼主の求めるクオリティを満たしているかをチェックし、改善策を実施する。 |
リソース管理 | ・作業員や資材などのリソースを適切に配分し、運用する。 |
PL:建設業界で例えると現場監督・現場リーダー
PLはプロジェクトの実行を担うリーダーですが、建設業界に例えると実際に工事を行う現場責任者にあたります。
職人への指示や全体の進行管理を行い、施工会社(PM)のビジョンを実現する重要な役割です。
PLの役割を建設業界に当てはめると、以下のようになります。
PLの役割 | 説明 |
---|---|
チームの作業計画 | ・PMのビジョンに基づき、現場全体の具体的な作業計画を策定する。 |
コミュニケーション管理 | ・PMとの連携を取りながら、チームメンバーへの指示や情報共有を行う。 |
問題解決 | ・現場で発生する問題を速やかに特定し、解決策を実施する。 |
進捗管理 | ・チームメンバーの進捗をチェックし、遅れがあれば対策を講じる。 |
これから転職を目指すのであればPMOがおすすめ
PMOは、PMやPLと比較して、市場価値の高さ、キャリアの幅広さといった点で、転職に最適な選択肢となります。
市場価値が高い
PMOは、業界を問わず多くの企業で求められる職種です。
IT、製造、金融、コンサルなど、多くの分野でプロジェクト管理の仕組みを整える役割があり、転職市場でも安定した需要があります。
特にDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、企業はプロジェクト管理の高度化を求めており、PMOの需要は年々増加しています。
幅広いキャリアの選択肢
PMOとしての経験は、プロジェクトマネジメント全般のスキルが身につくため、将来的にPMやコンサルタント、経営企画など多方面にキャリアアップできます。
特にプロジェクト管理、業務改善、データ分析などのスキルは他の職種にも応用可能で、転職市場での競争力が高まります。
様々なプロジェクトに関与できる
PMやPLは特定のプロジェクトの管理に集中するのに対し、PMOは複数のプロジェクトを横断的に支援する役割を持つため、さまざまな業界や業種のプロジェクトに関わることができます。
例えば、ITシステム導入、業務改革、DX推進、新規事業開発など、企業の中で重要なプロジェクトに携わる機会が増え、幅広い知識と経験を得ることができます。
特に好奇心旺盛で多様な分野に興味がある人には、非常に魅力的なキャリアパスとなるでしょう。
記事のまとめ
本記事では、PMOとPM、そしてPLの違いについて解説しました。
各ポジションの役割をまとめると以下の通りになります。
項目 | PMO | PM | PL |
---|---|---|---|
目的 | プロジェクト管理の仕組みづくりと標準化 | 具体的なプロジェクトの成功 | チームのタスク遂行と進捗管理 |
役割 | 複数のプロジェクトを横断的に管理 | 単一プロジェクトを推進・管理 | チーム内の作業を円滑に進める |
業務内容 | プロジェクト支援・監視/リスク管理の仕組み作り/進捗データの分析・レポート作成/ツールやプロセスの整備など | スケジュール・予算管理/チームの指揮・調整/リスク管理と対応/クライアントや関係者との調整/成果物の品質管理など | チームの作業計画策定/問題解決・コミュニケーション管理/メンバーの作業進捗管理など |
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