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公開日:2022.12.09(金) 更新日:
PMOをフリーランス独立とコンサルタント会社勤務で比較解説
PMOはプロジェクトを成功させることを目的として作られる組織です。
プロジェクトの良し悪しが企業の業績に直結することは多いので、重大な責任を負うチームになります。
そのため、通常PMOのメンバーとして採用されるためには、高いスキルと豊富な経験を保持していないと難しくなります。
では、フリーランスのコンサルタントはPMOの一員として採用されることはあるのでしょうか?
今回はフリーランスのコンサルタントがPMO関連の案件を受注する場合の難易度、メリット、注意点などを中心に解説します。
フリーランスでも可能?PMOの仕事に関して
フリーランスでPMOという働き方に関心がある方は多いと思います。
フリーランス向けのPMO求人は非常に多い、単価が高い、案件を選べる、などのイメージがあるのがその主な理由です。
現在は正社員としてプロジェクトの管理などPMO関連の仕事をしているけど数年後にはフリーランスで、という具体的なキャリアプランを検討している方も多いのではないでしょうか?
実はフリーランスの求人も豊富
現在はフリーランスのPMO案件は非常に豊富であるため、PMOとして働く上で最低限の経験とスキルがあれば仕事が無く困るということはまずないでしょう。
特にIT業界では近年非常に多くのプロジェクトが企画されおり、それに伴いPMO案件も非常に豊富です。経済産業省もIT人材不足を懸念しています。
そのため、特にプログラマーやシステムエンジニアとして仕事をしていた経験やITの知見を持っていれば引く手数多の人材になります。
そして、IT以外にも、業務改善、新規事業計画立案、法規制対応、など様々なプロジェクト案件があるので、PMOコンサルタントは需要の高い職種と言えます。
※経済産業省のIT人材不足の懸念は以下を参照https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf
プロジェクトで求められる支援
PMO案件に関わらず、フリーランスは即戦力であることが強く求められます。
基本的にフリーランスにPMO業務の支援を依頼する企業はコンサルティングファームが多いです。
たとえば、クライアントから受注した案件にアサインする人的リソースが足りない場合、フリーランスに仕事を依頼することがあります。
ファームからすれば当然フリーランスを育てるメリットはなく、プロジェクトで即価値を出すことを期待されます。
よくある案件・プロジェクトと業務内容
PMOは様々な業界・業種の案件に携わります。特に、システム開発やそれに伴う業務改善等は多く、以下のような案件があります。
- 基幹システム再構築における全体推進支援
- 業務プロセスの可視化と業務改善支援
- インフラ基盤構築におけるベンダーマネジメント
- 新規事業立ち上げに向けたシステム要件の整理
また、支援を求められる業務も、スケジュール策定、プロジェクトの進捗管理、リスクや課題の検知と対応、など様々です。
案件を獲得するには?
フリーランスとしてPMOの仕事をするには当然その案件を自分で獲得する必要があります。
個人で営業を行い、クライアントと契約を締結することが必要です。
ではフリーランスはどうやって案件を探せばいいのでしょうか?フリーランスでPMO案件を探す方法はいくつかあります。
- 会社員時代のクライアント、友人、知り合い、など人脈を使って案件獲得する
- エージェントに案件を探してもらう
- クラウドソーシングで案件を探す
人脈を使う
人脈を使って案件を獲得していけるのであれば、フリーランスとしては大きな強みになります。
フリーランスが案件を受注するには、クライアントから信頼されているかどうかが重要になります。
そのため、実績の無い最初の段階で案件探しに苦労している方も多くいます。
過去に一緒に仕事をしたことがあるなど、自分の価値を知ってくれている人から案件をもらえるのであれば、それは大きなアドバンテージと言えます。
実際、最初に案件をくれた人が知り合いというフリーランスは大勢います。
また、エージェントやクラウドソーシングの場合と比べると取られるマージン(仕事の紹介料、手数料)も少なくなるため、高単価になることが多くなります。
エージェントを利用
エージェント利用による案件獲得は、自分にあった仕事に就きたい方に特におすすめの方法になります。
基本的な仕組みとしては、エージェントがフリーランス向けの求人サイトを用意しているので、それに登録する形で自分に合う案件を探していきます。
登録後、エージェントの担当者から連絡があるので、担当者に自身の経歴やスキル、希望する単価、受注したい案件の内容、などを説明すれば、仕事を探してもらえます。
条件にはたとえば、「リモートワークで働けるプロジェクト」、「SAPの導入支援」などに加えプライベートの事情や仕事内容への細かい希望などを伝えることも可能です。
また、この方法であればエージェントに案件の獲得を代行してもらえることになるため、自分の仕事に集中する環境を作れるということもメリットとして挙げられます。
クラウドソーシングを利用
クラウドソーシングは自身の人脈から案件を獲得することが難しい方におすすめの方法の一つになります。
企業などがインターネット上に仕事の依頼を出し、それに対して応募する形で案件を受注していきます。
エージェントとは異なり、基本的に間に個別の担当者が入らず、企業の担当者とサイト上でダイレクトにやり取りを行います。
仕事は簡単なものが多く、実績が無くとも受注できる案件が多くあります。
デメリットとしてはあまり単価の高い案件が無いということです。
また、仕事の種類によってはクラウドソーシングで紹介されることが少ないということも挙げられます。
クラウドソーシングは不特定多数の人に募集をかけるというスタイルであるため、クライアント側からすると高いスキルを持つ人材は採用しにくいという特徴があります。
PMOはプロジェクトの成功を左右する重要な仕事であるため、基本的には高いスキル持ち信頼できる人材に委託する必要があります。
そのため、クラウドソーシングではあまり募集のかからない案件になります。
案件の単価、年収の相場は?
フリーランス向けのPMO求人は高収入が期待できるモノが非常に多くなっています。
フリーランス向けの求人サイトを見てみると、PMO関連の案件はひと月当たりの単価が100万を超えるものがかなり多く、200万円以上のものすら出ています。
国税庁のサイトで「1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与」を調べてみると約443万円となっており、一般的な社会人と比べるとかなり高い年収を期待できます。
※平均給与は以下の国税庁の資料を参照
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf
会社員との違い
現在企業でPMOメンバーとして働いている方やマネジメント系の仕事に就いていれば、その経験を活かし将来フリーランスのPMOになることを検討しているという人も多いでしょう。
では、PMOとして勤務する場合は会社所属とフリーランスではどんな違いがあるのでしょうか?
フリーランスのメリット
フリーランスとして働くことはメリットも多いです。
まず、自分の希望するプロジェクトに就くことができます。仮に知人やエージェントから望まない仕事を紹介された場合でも断ることができるため、希望の仕事だけを続けていくことが可能です。
また、働き方さえも選ぶことができます。たとえば、週2、3のみ稼働し、それ以外は休みにすることが可能です。
フリーランス向けの求人にはそのような稼働率で応募可能なものも多く、中には一定期間会社員と同じように週5で稼働し長期の休みを取るという働き方を選ぶフリーランスもいます。
このように会社員と比べると仕事に関して自由度が高くなることがフリーランスのメリットになります。
フリーランスと会社所属どちらがいいのか?
ではPMOとして働く場合、フリーランスと会社員とではどちらがいいのでしょうか?各視点からそれぞれを比較してみました。
キャリアアップ
将来を見据えたキャリアアップに関しては、PMOの場合フリーランスよりも会社員のほうが有利と言えます。
フリーランスは会社が育ててくれることはありません。
また、案件に入る場合は即戦力になることが求められるため、過去に経験のない仕事に挑戦することは基本的にはできなくなります。
それに対し、会社員であれば会社から業務に関する学習支援などを受けることができます。
また、ベテランの社員と一緒にクライアントのプロジェクトに参画するなどの形で、経験のない仕事に挑戦していくことも可能です。
会社が用意してくれる環境を利用しながら、仕事の幅を広げていくことができます。
年収
年収に関しては、時と場合、そして考え方によって変わるためどちらのほうがいいとは言えないものになります。
フリーランスは高単価の案件は多くなっていますが、収入は安定しません。仕事が無い期間が出てくるフリーランスもいます。
一度フリーランスになった後で、案件が取れなくなってしまったことを理由に会社員に戻る人も多くなっています。
仕事の自由度
ここはフリーランスに分があると言えるでしょう。
前述した通り、フリーランスはプロジェクトや働き方を選ぶことが可能ですが、会社員は難しい場合が多くなります。
社員のモチベーションを損なわないように希望を考慮してくれる企業も多いですが、基本的には会社から指示された仕事を行う必要があります。
信用
フリーランスは会社員と比べると社会的な信用度は低くなり、仕事にもプライベートにも影響があります。
案件の受注は企業のコンサルタントのほうが採用されやすい、会社員のほうがローンが組みやすい、などの違いがあります。
各種保険
会社員のほうがメリットが大きくなります。
会社員は、手厚いサポートを受けることが可能です。
たとえば、医療保険、年金保険は会社が半分負担することになります。また、年金も会社員のほうが多く受け取ることができます。
そして、雇用保険や労災保険はフリーランスは加入することができないものになります。
福利厚生
フリーランスの福利厚生は基本的にはありません。それに対し、会社員は有給休暇、健康診断、レジャー施設の割引など、数多くの福利厚生が提供されます。
PMOはフリーランスと会社員のどっちが良い?
PMOとして働く場合、フリーランスと会社員どちらにすべきかという質問に絶対的な答えはありません。
しかし、会社員のほうがPMOの仕事を継続していくための環境が充実しているということから、ややメリットが大きいと言えるでしょう。
フリーランスは高単価の案件が期待できることは事実としてありますが、年収は安定しないため長期的には会社員のほうが収入が大きくなることも多いです。
そして、「キャリアアップ」の視点が最も重要な違いと言えます。PMOは知識やスキルよりも経験が評価される職種と言えます。
「コミュニケーション能力」、「マネジメント能力」、「問題解決能力」が主に求められるスキルとなり、机の上で学習していくものよりも仕事をこなす過程で身に着けていくものが多くなっています。
資格試験で勉強していく形で、知識やスキルを取得して行く手段もありますが、経験と比べるとあまり評価してもらえないものになります。
クライアントの採用過程では特に「どんな仕事をやってきたか?」、「仕事を任せて問題なさそうか?」ということが特に採用のポイントになります。
そのため、PMOとしてのキャリアを継続させていくためには、多様で充実した経験が必要になります。
この経験という観点はPMOとして仕事をしていく上で最も重要な点であり、会社員のほうが有利な環境が整っています。
まとめ
今回はフリーランスとしてPMO案件を受注する方法や会社員と比較などを説明しました。
プロジェクトマネジメント業務ができる人材はどの業界でも需要が高く、今後もPMO関連の案件は増加していくことが予想されます。
フリーランスとして継続してPMO案件を受注するには、即戦力であることが特に求められるため、普段から意識して経験を積んでいくことで希望のキャリアを歩むことができます。