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- PMOスペシャリスト認定資格の試験概要や合格難易度・勉強方法を解説
公開日:2023.06.09(金) 更新日:
PMOスペシャリストの資格難易度や勉強法を紹介
普段何かを勉強したいものがある場合、資格を利用する人は多いと思います。
資格は就職や転職の際に自分の能力を示す上でもスキルアップを目指す上でも有効です。
プロジェクトマネジメントのスキルを身に付けていく上でも例外ではなく、資格取得は企業から評価を受ける上でもフリーランスとして案件を探す上でも効果的な手段になります。
この記事では特に役立つ「PMOスペシャリスト」という資格について説明します。
PMOスペシャリストとは?
「PMOスペシャリスト」とは、資格試験の一つでプロジェクトマネジメントに関する能力を証明することができます。
具体的には、PMO業務を行う上で習得しておくべき知識を身に付けることが可能です。
なお、PMOスペシャリストは一般社団法人の日本PMO協会が運営している資格です。
PMOスペシャリストの概要と特徴
PMOスペシャリストは、プロジェクトマネジメント経験が全くない人であっても、その分野を基礎から学ぶことができる検定試験となっています。
受験前に必要な知識や経験は特にありません。
他にもプロジェクトマネジメント関連の知識やスキルを証明できる認定資格はありますが、それらと比較するとPMOスペシャリストはこれからプロジェクトマネジメントの世界に足を踏み入れる人向けの資格と言えます。
また、学習や受験のしやすさも特徴になっており、忙しい社会人でも資格を取得しやすいよう工夫されています。
PMOスペシャリストの場合、基本的には日本PMO協会が用意しているeラーニングシステムで学習を進めます。
映像は一つ一つが30分~1時間の内容となっており、隙間をうまく利用して受講することも可能です。
試験もオンライン上での実施となります。特定の試験会場に足を運ぶ必要はなく、自分のパソコンから受験することができます。
資格の種類について
PMOスペシャリストは2つのランクに分かれています。
まず、①「PMO-S(★)™」を取得し、その次のステップとして②「PMO-S(★★)™」が用意されています。
②の受験資格として、①の合格が求められます。
①PMO-S(★)™ – PMOスペシャリスト(★)
PMOの基本的な知識を学習します。
PMOの基本的な役割や理解することを目指す内容になっています。
プロジェクトマネジメントに関する基本的な理解、目標やマネジメント方法などの策定、プロジェクトの具体的な推進手段などを学習することができます。
②PMO-S(★★)™ – PMOスペシャリスト(★★)
PMOマネージャーとして必要な知識を学びます。
PMOの設計やマネージャーの役割について理解を深めることができます。
PMO-S(★)™と比べるとより実務に近い内容になっており、PMOの導入手法や活動内容を事例も含め学習していきます。
PMOスペシャリストを取得する上でおすすめの学習方法は?
PMOスペシャリストの適切な勉強方法はどのようなものになるでしょうか?
実は、適切な勉強方法は人によって異なるものになります。
資格取得の目的をはっきりさせることが重要
資格取得の理由は人それぞれであり、まずは目的を明確にすることが重要です。
基本的には以下の目的が考えられます。
- 資格を取得し、就職・転職先に能力を証明したい
- PMOスペシャリストで基礎を学び、さらに上位の資格を目指す形でスキルアップしていきたい
- 資格試験での学習を通して、実務でも使える知識やスキルを身に付けたい
資格勉強をする上でよく陥ってしまう間違いとしては、資格を取得するということそのものが目的になってしまうことが挙げられます。
資格勉強は知識やスキルを身に付ける上で確かに有効な手段ですが、試験に合格することだけが目的になることは基本的には無いはずです。
目的を明確にした上で、その達成に向けて有効な学習を行うことで資格取得のメリットを最大限に活かすことができます。
目的別のおすすめの学習方法
1.資格を取得し、就職・転職先に能力を証明したい
PMOスペシャリストの試験に合格し就職や転職時にプロジェクトマネジメントの能力を企業に示すことが目的であれば、最短距離で資格取得を目指しましょう。
日本PMO協会が用意している映像授業や資料だけを参考に勉強を進めることで、試験に出る部分に特化して学習を進めることがポイントになります。
PMO-S(★)とPMO-S(★★)どちらも映像型eラーニングの受講、自習時間、受験の目安の合計時間が30時間弱となっています。
また、試験の評価期間が約1か月、そこから認定書発行までに1~2か月の時間がかかります。
資格が必要となる時期から逆算して余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
2.PMOスペシャリストで基礎を学び、さらに上位の資格を目指す形でスキルアップしていきたい
PMOスペシャリストはプロジェクトマネジメントのエントリーモデルの資格と言われています。
基礎を学ぶには有効な資格ですが、プロジェクトマネジメントの世界で活躍していくには、より高度な知識やスキルを身に付けていく必要があり、より難易度が高い資格もあります。
例えば、情報処理推進機構が運営する主にITプロジェクトに注力したプロジェクトマネージャ試験や、米国のプロジェクトマネジメントの研究機関であるPMIが運用するPMPという資格などが挙げられます。
PMOスペシャリストを取得した後で、さらにスキルアップしていくことを見据えている場合は、日本PMO協会の学習コンテンツだけでなく、他のプロジェクトマネジメント関連の本や教材も使いながら勉強していくことがおすすめです。
多領域のマネジメント手法を学習していくことができます。
3.資格試験での学習を通して、実務でも使える知識やスキルを身に付けたい
実際の現場で使えるスキルを身に付けることが目的であれば、資格試験で学習しながら仕事で習得した知識を使っていくことが最も有効です。
特にプロジェクトマネジメントの知識は実践によって磨かれていくものが多くなります。
資格での勉強でマネジメントや課題解決の手法を学ぶことは可能ですが、実際にその手段をそのまま実践で使えることは稀です。
プロジェクトは生き物であるとよく言われます。
現場特有の事情や条件があるため、教科書通りの手段で物事を進めることはできない場合が多く、PMOにはその場に合わせて解決手段をカスタマイズしプロジェクトを推進していくことが求められます。
資格取得でプロジェクト管理の仕事にどんなメリットがある?
プロジェクトマネジメントの能力があれば、基本的に全業界で活躍できるチャンスが生まれます。
どんな企業でも目的の達成に向けてタスクや課題など数多くの要素を管理する必要があるからです。
PMOスペシャリストを取得することでそんな需要の高い能力を証明でき、様々なメリットを得ることができます。
マネジメント知識、技術、スキルを証明できれば仕事の幅を広げられる
企業は自社ビジネスを推進していく上で、多種多様なプロジェクトを立ち上げ目的を達成していきます。
一般的なもので言えば以下のようなプロジェクトが発生します。
- 経営や事業戦略の立案および整理
- 新規事業の立ち上げ
- 既存の業務プロセス改善
- ITシステムの新規構築、既存改修
- RFPのとりまとめ、およびシステム開発を委託するベンダ選定
- ERPシステムやクラウドサービスの導入
もちろんプロジェクトの種類によって必要なスキルセットは異なります。
経営関連であれば戦略、事業、会計などに関する知識、IT関連であればシステム開発や導入に関するものが求められます。
しかし、基本的に企業で企画されるプロジェクトは規模が大きなものになるため、マネジメントやチームビルディングができる人材は必ず必要になります。
会社員としてフリーランスとしてもスキルアップに有効
プロジェクトマネジメントは立ち位置に関係なく需要の高いスキルになります。
どんな業界でもどんな企業でもプロジェクトが立ち上げられ、それに伴いマネジメントができる組織、人材が必要になります。
会社員であれば、特に管理職という立場に就く場合はマネジメント能力が必須と言えるでしょう。
任された部署において、仕事の管理、部下の育成、チームビルディングを推進していく必要があります。
また、フリーランスである場合も、PMOスペシャリストは実用的な資格になります。
PMOは非常に需要が高く、フリーランスでも企業のプロジェクトにPMOメンバーとして参画することができます。
多くのエージェントがPMO案件をフリーランスに斡旋しており、資格などでプロジェクトマネジメントの能力を示すことができれば、引く手あまたの人材になります。
近年特に需要が高いITプロジェクトでも活躍ができる
近年は多くの企業でシステム開発や導入関連のプロジェクトが立ち上げられています。
現代は社会的にDXが推進されており、数多くのクラウドサービスも提供されています。
企業価値を高めていく上でDXへの適用は必須と言えます。
そのことから特にIT関連のプロジェクトは企画されることが多く、経済産業省は2030年には最大で80万人のIT人材が不足すると警鐘を鳴らすほどです。
PMOスペシャリストでマネジメントを学習しておけば、ITプロジェクトでも活躍することは可能です。
ITプロジェクトは大規模であることが多く、そのほとんどでPMOが組織されます。
システム開発や導入を進める過程で発生するタスクや課題を管理する人材が必要とされます。
まとめ
PMOスペシャリストはプロジェクトマネジメントの基礎を学ぶ資格です。
PMOメンバーとして活躍できる人材は、需要が高いだけでなく、どんな業界でも活躍できるチャンスがあります。
管理業務で高い価値を出せる人材を目指すのであれば、その足掛かりとして特におすすめの資格と言えるでしょう。