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公開日:2023.05.24(水) 更新日:
プロジェクトに必要不可欠と言われるPMOの必要性や役割を紹介
新規事業を展開する際や、既存の自社課題を解決する必要がある場合など、企業は様々な理由でプロジェクトを立ち上げています。
意義あるビジネスを展開し企業価値を高めていく上で必要不可欠になります。
プロジェクトを成功させるためには生産性の高い環境を作ることがポイントで、PMOはその重要な役割を果たす組織になります。
プロジェクト管理になぜ必要?PMOの役割について
PMOは特に大規模なプロジェクトであれば必ずと言っていいほど配置され、推進面で重要な役割を担います。
その業務は様々で、プロジェクトによって違いがあります。
PMOの主な業務とは?
PMOとはマネジメントが主な業務となる組織です。
タスク、スケジュール、リスク、課題、などプロジェクトを成功させるという目的のため多くの要素を管理します。
もちろん、問題が発見された場合はその解決策の検討や実行も担当します。
企業では業界問わず経営戦略の立案、ITシステム開発や導入、新規事業の立ち上げ、業務プロセスの改善など、多種多様なプロジェクトが計画されます。
そのため、PMOの役割はプロジェクトによって全く異なることもあります。
例えば、経営関連であれば重役への報告書作成、IT関連であればベンダーコントロールやインフラ管理など、具体的な作業には違いがあります。それに伴い、求められるスキルにも違いが出てくることになります。
どのプロジェクトでも期待される結果を得るためには、常にその作業状況を管理していく必要があります。PMOとはその管理を任される組織であり、プロジェクトを成功させる上で重要な役割を持ちます。
PMとPMOの違いについて
PMOとよく混同されるワードとしてPMがあります。
PMはプロジェクトマネージャー、PMOはプロジェクトマネジメントオフィスの略で、異なるものを指します。PMはプロジェクトの意思決定を行う責任者になります。
プロジェクトの方針および戦略や発生した課題への対応方法を決定する役割を担います。
それに対し、PMOは体制図上プロジェクトマネージャー直下に配置されることが多い組織で、PMを補佐する立場の組織になります。
マネジメントがメインの業務であり、PMが正しい判断を行えるようにプロジェクトの進捗管理や情報収集などを担当します。PMへの報告だけでなく、ソリューション導入など実行面の役割も担います。
このようにPMとPMOは役割に違いがありますが、その業務内容の線引きはプロジェクトによって異なります。
業務スコープには類似する部分もあるので、プロジェクトごとに状況に合わせて具体的に役割分担を定義しておくことが推奨されます。
例えば、プロジェクト計画書の作成という仕事があれば、責任者としてPMが決定し作成まで行ってしまう場合もあれば、PMOが主体的にクライアントや各チームから情報を吸い上げ作成していくこともあります。
PMとPMOの間で認識齟齬が発生しプロジェクト管理がうまく機能しないということにならないよう業務ごとに担当を明確にしておく必要はあります。
PMOを導入するメリットとは?
前述の通りPMOは簡単に言うとプロジェクト内のあらゆる要素を管理します。ではPMOを導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
目標達成率の向上
PMOはプロジェクトの目的を明確化し、達成できる状況を維持する役割を担います。
プロジェクトが企画されると、まずは目的をはっきりさせることから始まります。
PMOは通常プロジェクト開始段階から配置されており、目的や要件をまとめたドキュメント作成を担当します。
その上で、PMOはプロジェクトを推進する過程で目的や要件に沿って作業が行われているかどうか監視する役割も担います。
プロジェクトを成功させるためには、常に目的に沿って推進ができているかどうかを確認していくことが必要です。
目的を明確化しそれをドキュメントに残していたとしても、プロジェクト内のチームやメンバーそれぞれが個々の解釈を行った結果、当初予定していたものと異なる方向で作業を進めてしまうことがよく発生します。
PMOを導入し常にプロジェクトの状況を監視していくことで、目標の達成率を向上させることができます。
予定している予算や期限の順守
プロジェクトでは予算と期限を定めます。
いくらでもお金を使っていいわけではなく、またどれだけ時間がかかってもいいわけではありません。
しかし、プロジェクト開始時に決めた予算と期限内で目的を達成することは非常に難易度が高いことです。
プロジェクトの開始時点では不確定要素が多く、進めていく過程で想定外の問題も頻繁に発生します。決められた予算と期限を守るためにも、適切な管理手法を導入する必要があります。
PMOを導入することで、決められた予算と期限を順守できる環境を作ることは可能です。
プロジェクトを推進していく中で発生する課題やリスクをいち早く察知し、対応していくことができます。
社内にプロジェクトマネジメント関連のノウハウがない場合でも、外部のコンサルティングサービスを活用することでPMOは導入可能です。
標準化されたマネジメント手法を導入することで、日々の進捗管理や報告資料作成などを効率化でき、軽微な作業遅延なども検知が可能になります。
決められた予算と期限の範囲内でプロジェクトを推進するためにも、大きな問題になる前に問題に対処していくことが重要になります。
適切な品質の達成
品質の高い成果物を作っていくことも重要です。
企業のプロジェクトには経営、IT、業務など様々なものがありますが、どのタイプでも成果物を作成しながら推進していくことになります。
たとえば、プロジェクト計画書、経営層への報告資料、システムのソースコード、業務手順書、課題対応のための会議で使うディスカッションペーパーなど様々です。
どの成果物も目的を達成できるだけの品質を保つ必要があります。
PMOは成果物を品質管理する上でも効果があります。プロジェクトの成果物やその中身を明確に定義し、決められた品質を達成できているかを確認していくことができます。
例えば、システム開発のプロジェクトであれば、要件定義書、設計書、システムのソースコードなどの成果物を作成します。
要件定義書や設計書などのドキュメント類であれば、有識者のレビューなどを行い品質を担保します。
ソースコードであれば、システムを実際に操作し想定通りの動作となるかを確認することになります。
成果物の確認観点を事前にまとめておくことで、スムーズに対応できます。
品質管理はプロジェクト内の様々な部署やメンバーを巻き込んで行っていく必要があり、PMOを導入することで効率的に品質確認を進めていくことができます。
プロジェクトマネジメントで求められるスキルや資格について
PMOに求められる役割は案件によって違います。
さらに、そもそも現場に入ってからでないと具体的な仕事内容はわからないため、プロジェクトに入る前に必要な知識やスキルを全て身に付けておくことは現実的ではありません。
しかし、どんなプロジェクトでも基本的には求められる知識やスキルがあります。それらを習得しておくだけでも、ある程度仕事をスムーズに進めていくことができるようになります。
PMOを目指す上でおすすめの資格とは
PMO関連の資格保有者に対する企業の評価は様々です。
給料アップや管理職となる上での必須条件としている企業もあれば、特に評価には関係ない場合もあります。
しかし、PMOとしてのスキルを身に付ける上で資格学習は有効な手段の一つになります。基本的な知識を得られることはもちろん、採用面接の際に得意分野をアピールしやすくなります。
①日本PMO協会認定資格
PMO向けの資格として最も普及しているものの一つです。オンライン完結型の資格であり、インターネットを活用して自宅で学習することができ、オンライン上で受験も可能です。
また、この資格はレベル別に複数用意されていることも特徴になっています。
プロジェクトマネジメントの基礎を学ぶものから、次のステップとしてその応用の内容を学習できるものもあります。
基礎を学べる「プロジェクトマネジメント・アソシエイト」は、学習時間の目安が約30~50時間となっており、初めてマネジメントを学ぶ方でも学習しやすく資格取得しやすいというメリットがあります。
②PMI🄬試験
PMI(Project Management Institute)は、米国で設立されたプロジェクトマネジメントのベストプラクティス策定を行っている団体です。
プロジェクトマネジメントの標準として広く認知されているPMBOKのガイドを発行しています。
また、PMIの資格試験は日本だけでなく世界中で普及しています。
そのため、本資格を取得できれば海外の会社にもプロジェクト管理の能力をアピールすることができます。
ただし、資格取得の難易度が非常に高いということがデメリットと言えるかもしれません。
プロジェクトマネジメントの実務経験が最低でも3年以上求められます(大学課程を終了しているか、など人によって求められる経験年数は異なります)。
受験前に既にプロジェクト管理の経験が求められることから、マネジメントを学習するという意味では不向きな資格です。
ただし、プロジェクトマネジメントのスキルや経験を企業にアピールする上では大きな効果があります。
③プロジェクトマネージャ試験
この資格は他のPMO関連ものと比較するとややITプロジェクトに特化していることが特徴になっています。
優れたIT人材を育成することを目的に活動している独立行政法人の情報処理推進機構が運営している資格です。
情報処理推進機構はプロジェクトマネージャ試験以外にも、ITストラテジスト試験、ネットワークスペシャリスト試験、情報セキュリティマネジメント試験など、IT関連の試験を多く提供しています。
ITプロジェクトの管理スキルを持つPMO人材は非常に需要が高くなっています。現代は社会的にDXが推進されています。
経済産業省もデジタルガバナンス・コードという経営者向けのデジタル化指針を策定するほどで、行政も企業のDX活用を強く推奨しています。
また、AI、IoT、ブロックチェーン、などのIT技術を活用することにより、
- 新しいビジネスモデルへの対応
- 既存業務の効率化
- 自社商品やサービスへの付加価値の創出
などを行うことが可能になります。
そのため、近年は様々な企業でITプロジェクトが企画される傾向にあります。
今後もこの流れは継続していくことが予想されるため、ITプロジェクトの管理を学ぶことができる本資格はPMOを目指す上でおすすめの資格になります。
PMOに必須のスキル
PMOとは、特に管理スキルが求められる部署です。管理業務を遂行していくには、その他にも必須のスキルがあります。
マネジメントスキル
マネジメントスキルは言うまでもなく必須になります。各チームから報告を受ける形で情報を吸い上げ、
- 進捗状況のチェック
- PMやステークホルダーへの定期報告
- 問題が発生した場合の対応
などの仕事を担当します。プロジェクトのリーダーとして様々な要素を管理し指揮をとっていく必要があります。
コミュニケーションスキル
PMOはマネージャーのような立ち位置で業務を行います。
プロジェクトの管理者として各チームと作業状況を確認し、必要に応じて指示を出していく必要があります。
各部署としっかり情報交換を行うことがポイントです。時には特別なスキルも必要になります。
例えば、ITプロジェクトであればプログラミング関連の知識、海外企業も参加する案件であれば英語力など、それぞれの現場に応じて必要になってくるスキルがあります。
メンバーと適切な意思疎通ができない場合、PMOとしての役割を果たすことは困難です。マネジメントスキルと同じぐらい重要な能力になります。
まとめ
PMOとは、プロジェクトを効率的に推進していくための核となる組織です。
特に類のないプロジェクトでは想定外の問題が発生しやすく、しっかりとした管理体制を敷く必要があります。
PMOはプロジェクトを成功率を上げるだけではなく、不測の事態が起こった際に被害を最小限に食い止める上でも有効なプロジェクトに欠かせない存在になります。