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公開日:2025.04.14(月) 更新日:
PMOのタスクはプロジェクトの成功に有効!PMOのタスクを詳しく解説

PMOにはどのようなタスクがあるかご存じですか?
PMOが行うタスクは、プロジェクトを効率的に成功させるために重要な役割を持ちます。
この記事では、プロジェクトを円滑に進めるためにPMOが担うさまざまなタスクを詳しく解説します。
PMOとは
PMO(Project Management Office)とは、企業のプロジェクトを横断的に支援し成功に導く組織です。
PM(プロジェクトマネージャ)へのサポートによるプロジェクトのスムーズな推進や、企業全体のマネジメントスキルの底上げを行います。
PMOの主な職種は以下の通りです。
職種 | 内容 |
---|---|
PMOアドミニストレータ | 進捗管理やドキュメント作成など、PMを直接サポートする |
PMOエキスパート | マネジメント標準の制定やマネジメントスキルの教育など、技術的にサポートする |
PMOマネージャー | PMO全体の管理責任者として、戦略立案や組織運営を行う |
それぞれの職種が連携し、PMOとしての機能を発揮することで、プロジェクトの成功に大きく貢献します。
詳しくは以下のリンクをご参照ください。
PMOの役割
PMOは全社のプロジェクトを成功に導くために多岐にわたる役割を担います。
ここではPMOが行う役割を詳しく解説します。
プロジェクトの成功
PMOの最も重要な役割はプロジェクトの成功です。
これにより以下の効果が期待できます。
効果 | 説明 |
---|---|
PMへのサポート | ドキュメントの作成、課題のモニタリング、関係各所への情報共有を行い、PMの負担を軽減しマネジメントに専念できる環境を提供する |
適切な管理 | WBS(Work Breakdown Structure)やガントチャートなどのツールを用いてプロジェクトを可視化し、進捗やリスクを適切に管理する |
品質の確保 | 品質基準の制定や品質管理プロセスの導入、品質監査によりプロジェクト間の成果物が一定以上の品質になるように管理する |
近年はAIなどの新技術への対応や、スクラム開発といった新しい開発手法への対応が必要になっています。
PMの負荷を軽減し、新技術や新しい開発手法への対応をサポートするのです。
プロジェクトマネジメントスキルの向上
PMOは組織全体のマネジメントスキルを向上させる役割を担います。
これにより以下の効果が期待できます。
効果 | 説明 |
---|---|
品質の安定 | プロジェクトの進め方や成果物の品質が一定レベルに保たれる。また、属人的なスキルや経験に依存せず、誰が担当しても一定水準以上の品質を確保できる |
効率的なプロジェクト運営とコスト削減 | プロジェクトの開始から完了までの一連の流れを定め、無駄な作業や手戻りを減らすことができる。また、テンプレートやツールなどを制定することで、ゼロから作り上げる手間を省きコストを削減する |
組織的な学習とナレッジ共有の促進 | 過去のプロジェクトの成功事例や失敗事例を蓄積し、プロジェクト推進に活用する。また、標準化されたプロセスやテンプレートによりプロジェクト間で知識や経験を共有しやすくなる |
過去のプロジェクトの事例は将来のリスク対策や課題の対応になくてはならないノウハウであり、プロジェクトを継続的に成功させる要素といえるでしょう。
全社プロジェクトの戦略的管理
PMOは、組織全体のプロジェクトを俯瞰的に管理し、戦略的な目標との整合性、リソース配分、優先順位付けなどを最適化する役割を担います。
これにより以下の効果が期待できます。
効果 | 説明 |
---|---|
戦略的な目標との整合性 | 各プロジェクトが企業戦略にどのように貢献するのかを評価し、戦略に合致したプロジェクトに資源を集中することで、企業戦略を達成する |
優先順位付けとリソース配分 | プロジェクトに優先順位をつけ、限られたリソースを効果的に活用する |
リスク管理と低減 | プロジェクト間の依存関係やリソースの制約など、企業全体のリスクを把握し管理することで、予期せぬ損失を最小限に抑える |
特にリスク管理については、あるプロジェクトの遅延により他のプロジェクトの要員計画に影響が出る場合があり、遅延の連鎖が起こりかねません。
PMOによる全社の戦略的管理は、全社のプロジェクト成功に重要な役割を持つといえるでしょう。
PMOの主なタスク一覧
PMOはプロジェクトを成功に導くためにさまざまなタスクを行います。
PMOが実施する主なタスクは以下の通りです。
進捗管理
進捗管理とはプロジェクトが計画通りに進んでいるかを監視し、遅延や問題が発生した場合に適切に対応することです。
WBSやガントチャートを用いてプロジェクトの工程、スケジュール、担当者などを明確にしプロジェクトの進捗状況を可視化します。
その上で、プロジェクトがスケジュール通りに進行しているかを確認し、遅れがあった場合にPMへ報告し対策するのです。
PMOが進捗管理を担当すれば、PMはスケジュールの遅延が発生した場合のみの対応に集中できます。
結果としてPMがより重要なマネジメントに専念でき、プロジェクトの効率を向上できます。
リスク・課題管理
リスク管理と課題管理はプロジェクトにおいて避けては通れない問題です。
PMOはこれらのリスクと課題を早期に特定し適切に対応しなければなりません。
PMOは過去のプロジェクトで発生したリスクや課題、それらに対する対策をナレッジとして蓄積しています。
過去の経験を活かして同様のリスクや課題を未然に防ぐことが可能になるのです。
コミュニケーション管理
プロジェクトには経営層や顧客といったステークホルダーと、多数のプロジェクトメンバーが参画しています。
それぞれの関係者に必要な情報をずれなく共有しなければなりません。
例えば、ステークホルダーには進捗や経費、要員計画などを報告し、プロジェクトメンバーには技術的な課題やチームの進捗を共有します。
また、良好なコミュニケーションはプロジェクトチームのモチベーション向上に有効です。
プロジェクトに寄り添ったPMOのコミュニケーションにより、よりチームの結束を高めプロジェクトの成果を向上できるでしょう。
成果物管理
成果物とは、プロジェクトの目的を達成するために作成されるドキュメント、ソフトウェア、ハードウェア等を指します。
PMOは全社のプロジェクトに関わり、成果物管理により自社の成果物が一定以上の品質を保つことを推進します。
また、アジャイルのような変更頻度の高い開発手法では、誤って古い版数の成果物を用いたソフトウェア開発が起こりかねません。
PMOは確実な版数管理と共有により、これらの問題を防止します。
詳しくは以下のリンクをご参照ください。
リソース管理
プロジェクトを成功させるためには、適切なリソースを適切なタイミングで投入することが重要です。
PMOは各プロジェクトの状況を把握し、必要に応じたリソース調整によりプロジェクトの遅延や失敗を防ぎます。
特に人的リソースは部門間のコミュニケーション不足や、PM同士の相性によりリソース調整がうまくできない場合あります。
PMOが客観的に調整すれば、全社のプロジェクトを円滑に推進できるでしょう。
全社のプロジェクト標準化
標準化とはプロジェクトの進め方、使用するツール、作成するドキュメントなどを統一化することです。
PMOによる標準化には主に以下の効果が期待できます。
- プロジェクトのプロセスを標準化し品質を安定させる
- 効率的なプロセスを標準化し全社のプロジェクト効率を向上させる
- 標準化されたツールやテンプレートを用いてドキュメント作成の時間を短縮しコストを削減する
標準化はさまざまなプロジェクトを経験しなければ最適なプロセスが構築できません。
PMOは全社のプロジェクトに関係し、標準化の制定に最も適した組織といえるでしょう。
PM育成
プロジェクトマネジメントのスキルは、プロジェクトを成功させるために不可欠です。
PMOはマネジメント教育によりPMのマネジメントスキルを向上します。
また、PMOは最新のマネジメント手法やベストプラクティスを調査し研修などを通じて全社に共有します。
PMOによる人材育成は全社のマネジメントスキルを底上げし、全社的なプロジェクトの成功に貢献するでしょう。
記事のまとめ
PMOのタスクは全社のプロジェクトを成功に導くために有効です。
近年のめまぐるしく変化する環境にPMだけで対応することは困難であり、PMOの重要度がますます高まっています。
PMOのサポートはプロジェクトの成功と効率的なマネジメントをもたらし、企業戦略の達成に寄与するでしょう。