PMOとはどんな仕事?職種ごとの役割やPMO導入の必要性をわかりやすく解説

公開日:2024.11.22(金) 更新日:

PMOとはどんな仕事かをわかりやすく解説!具体的な事例や必要なスキルも紹介

PMOとはどんな仕事?職種ごとの役割やPMO導入の必要性をわかりやすく解説

「PMOとは何を行う仕事かわかりやすく教えてほしい」
「PMOに必要な知識やスキルが気になる」
「外部に依頼して導入すべきか……」

と悩む方も多いでしょう。

PMOとは、PMの方針に沿ってスケジュール管理や関連部門との調整、ナレッジの均一化などを行う職種です。

プロジェクトの円滑な進行や目標達成のために、PMOの存在は欠かせません。

この記事では、PMOとはどのような仕事をするのかを具体的な事例を踏まえて仕事内容をわかりやすく解説します。

PMOコンサルタントになる方法も含め、導入の必要性などをわかりやすく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

PMOとは

PMOとは

PMOとは「Project Management Office」の略語で、わかりやすく言えばPMのサポート役です。

関連部門との調整やナレッジの平準化などを図ります。

そのほか、人的資源やコスト管理、人材育成など広範囲をサポートするのが特徴です。

PMとPMOの違い

PMとPMOの違いは以下の通りです。

PM 方針を決め、成果物の完成や目標達成に向けてチームをまとめたり、進捗を管理したりする
PMO PMのサポート役として参加しマネジメントする

PMOは職種によって業務範囲が異なりますが、PMとコミュニケーションを取りつつ、方針に沿ってプロジェクトゴールの達成に向けた支援を行います。

プロジェクト進行に必要なPMOとは?

プロジェクト進行に必要なPMOとは?

PMOはプロジェクトを俯瞰的に把握し、PMがフォローしきれない細部で進捗に遅れがないかなどを支援します。

自ら設定した品質や予算・納期を守り、目標達成に向けて包括的に指揮するのがPMOの役目です。

しかし、プロジェクト規模や関係者の人数などによって、PMの把握する範囲が広い場合、品質や納期に影響を及ぼす恐れがあります。

外部人材の調整・管理やメンバーに任せた仕事の細かな調整をPMが行うと、PMのリソースが減ってしまうでしょう。

PMのリソースが減ると、品質確保や全体的な方向性の決定に時間を費やせず、目標達成が困難になりかねないため、PMOが補佐をします。

PMOが必要とされる事例をわかりやすく紹介

新規商品の販売を企画する際、PMは「どのくらいの売上を目指すか」「どこで、いつから販売するか」などの方針を決定します。

スケジュールや必要な資材・人的リソース、利害関係者の洗い出しなどを行い、具体的なタスクやアクションを定めます。

PMOは方針に沿ってリソース管理や関連部署との調整を行うため、PMは重要な業務や判断に集中できるのです。

PMOは業務支援を通じてリソース不足や進捗状況の遅延を素早く把握します。

資材・人的リソースの管理方法の見直しや業務における改善箇所をPMに提案すれば、迅速な軌道修正が可能です。

PMOは目標達成に欠かせない存在と言えるので、社内PMOを設置していない場合、外部に依頼して導入するとよいでしょう。

PMOの職種とそれぞれの役割をわかりやすく解説

PMOの職種とそれぞれの役割をわかりやすく解説

PMOは職種に応じて企画段階から参画するケースや、PMによる指示のもと事務的なフォローを行う場合など様々です。

ここでは、PMOが職種別に担う役割をわかりやすく解説します。

PMOアドミニストレータ(PMO事務)

PMOアドミニストレータとは、事務処理やプロジェクトメンバーの支援・管理などを行う職種です。

各プロジェクトにおける以下のような仕事を担います。

  • 会議日程の調整
  • 議事録作成
  • スケジュール管理
  • 資料作成・管理
  • メンバーの勤務状況の管理

PMO事務が庶務を担えば、PMやメンバーは自分の業務に集中でき、プロジェクト成功率も向上するでしょう。

PMOエキスパート

PMOエキスパートとは、ナレッジの統一化や基準策定などを行い、プロジェクト遂行における環境を整備する職種です。

【主な業務内容】

  • プロセスの可視化および標準化
  • ナレッジを共有し、最適な方法を提案
  • 利害関係者の意見を収集し、ニーズ分析
  • PMの育成やメンバーのサポート

PMOエキスパートは、状況をわかりやすく可視化し、より効率的な方法を見つけ定着化させる役割を担います。

PMの育成やナレッジを活かした対応が求められるため、高いスキルや経験が必要です。

PMOマネージャー

PMOマネージャーとは、各プロジェクトがゴールに向かうようPMOを統括的に管理し、マネジメントする職種です。

【主な業務内容】

  • PMO組織の方針や計画策定
  • PMO組織のコスト管理
  • ルール策定および定着化
  • メンバーの勤務状況の管理

PMOマネージャーはプロジェクト目標の達成に向けて戦略的にPMOを管理するため、より高度なスキルや知識が必要です。

参考:PMOとは? | 日本PMO協会
https://www.npmo.org/pmo%E3%81%A8%E3%81%AF/

PMOコンサルタントになるには?求められるスキルをわかりやすく解説

PMOコンサルタントになるには?求められるスキルをわかりやすく解説

PMOの経験や業務改善に関する取り組みなどを備えた方は、PMOコンサルタントへの道のりがスムーズでしょう。

ここでは、PMOコンサルタントになる方法やスキルなどの経験をわかりやすく解説します。

業務改革・改善の知識や経験

業務改革や改善の経験があれば、PMOコンサルタントとして活躍できます。

業務改革や改善例は以下を参考にしてください。

  • 通例のやり方として行ってきた方法を根底から見直し、業務を効率化させた
  • 様式が異なり整理しずらかった書類のフォーマットを、わかりやすく揃えた
  • 関係者の不満や意見をまとめ、より効果的に業務が進むよう、わかりやすくマニュアルにまとめた
  • 社内の残業を減らすべく、IT技術を導入し業務の工数を削減した

業務改革・改善のスキルは、プロジェクト成功に向けた課題解決やルール策定、標準化に活かせるでしょう。

プロジェクトマネジメント・PMOの知識や経験

PMOコンサルタントになるには、プロジェクトマネジメント経験やPMOの知識・スキルも必要です。

PMOコンサルタントは包括的に管理するため、マネジメント経験が活かせます。

PMOの活動経験があれば、業務の流れを把握していたり、ナレッジが蓄積されたりしているため、コンサルタントとして活躍できます。

以下のような資格を取得すると経験やスキルの保有がわかりやすくなり、PMOコンサルタントとして、より信頼されるでしょう。

  • 日本PMO協会認定資格(一般社団法人日本PMO協会)
  • プロジェクトマネージャ試験(IPA)
  • PMPⓇ(PMI)

経験や資格はPMOコンサルタントへの転職でもアピールポイントとなり得ます。

参考:日本PMO協会公式サイト「日本PMO協会認定資格(NPMO認定資格)」
https://www.npmo.org/資格制度/

参考:IPA公式サイト「プロジェクトマネージャ試験」
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html

参考:PMI公式サイト「PMP®資格について」
https://www.pmi-japan.org/pmp_license/pmp/

コミュニケーション能力

PMOコンサルタントにはコミュニケーション能力が欠かせません。

プロジェクトの進捗管理や関連部署との連携をはじめ、利害関係者との調整やPMとの打ち合わせなど、様々な立場の方と関わります。

PMOコンサルタントは平準化や課題解決に取り組むのが仕事とはいえ、PMOコンサルタントの力だけで実行するのは困難です。

普段からコミュニケーションを図ったうえで、チームメンバーや関連部署に協力を仰げば、より効果的な改善に寄与します。

柔軟性

プロジェクトは普段からスムーズに進行するとは限らないので、柔軟性もPMOコンサルタントに必要なスキルです。

「必要な資材が届かない」「連絡が滞りプロジェクトの公表が遅れている」など、イレギュラーやリスクが発生し得ます。

柔軟性を備えていれば資材の再調達や予定変更をスムーズに行い、影響を軽減させられるでしょう。

関連部署・利害関係者との調整において、理解を得るために強引な交渉をすると、関係が悪化する恐れもあります。

プロジェクトへの理解を得るには、相手の意見を聞きつつ柔軟な対応が必要です。

記事のまとめ

記事のまとめ

この記事では、PMOとは何をする職種なのか、PMOコンサルタントに必要なスキルなどをわかりやすく解説しました。

PMOとは、PMの補佐役として細部の管理やルールの平準化などを行い、プロジェクトを成功に導く職種です。

PMOを導入すれば横断的に関わったナレッジから、成功に向けてのアドバイスやマネジメントの知識・スキルを活かした管理が可能です。

社内でPMOの部署や職種を用意するのが難しい場合は、PMOコンサルタントの導入を検討してみてください。